李室長は、「NFC(近距離無線通信)技術と比べて、QRコードが勝っている点は、ユーザーの利用と教育にかかるコスト。技術性や利便性では、QRコードはNFCに劣るものの、QRコードを推進するための全体的なコストはNFCよりもかなり安く、QRコードの技術はハードウェア装置に依存せず、クロスプラットフォームの特徴を備えている」と指摘している。
モバイル決済が世界的な流れに
今年3月、調査機関のWorld Payが発表した統計によると、昨年、世界の決済市場において、クレジットカードやデビットカードを使わない、スマホによる決済が30%を占めた。
複数の専門家は、モバイル決済は世界的流れになっていると指摘する。拓■産業研究院(■は土へんに菐)は、17年、世界のモバイル決済市場は前年比25.8%増の7800億ドル(約13兆2600億円)規模になると予測している。米アップル社も、今年の世界開発者会議で、iMessageに送金機能を搭載することを発表した。
欧陽日輝氏は、「EC取引がさらに発展するにつれ、モバイル決済の応用シーンも一層増え、モバイル決済端末の普及もさらに進むだろう。そして、世界の仮想通貨が急速に発展し、将来、モバイル決済市場の規模はさらに拡大するだろう」と予想しながらも、「他の国が中国のモバイル決済のスタイルをそのまま導入するのは難しい。先進国は、元々金融が発達しており、銀行や店・企業などがデータを重視しているため、第三者決済サービスの発展の足かせとなっている。その他、多くの発展途上国は、EC取引の発展がまだ進んでいない」との見方を示した。
また、「中国のモバイル決済の急速な発展は、独特の環境があるから。まず、中国はEC取引が急速に発展しているため、オンライン決済の規模が大きく、オンラインからオフラインへの浸透は必然的だった。そして、もともとあったネットバンキングの公式サイトを使った決済は操作が煩わしく、クレジットカード市場は発展の環境が整っていないため、中国のモバイル決済が急速に発展するようになった」と分析した。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年10月27日
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