中韓は10月31日、両国関係や朝鮮半島問題に関する外交当局の意思疎通について同時に発表した。韓国側は両国の上層部交流及び各分野の交流・協力を再開し、中韓関係は正常な発展の軌道に早期に戻る見通しであるとの前向きな認識を示した。中国側はTHAAD問題を適切に処理し、中韓関係発展の障害を取り除くことは両国共通の願いであり、共通の利益でもあると強調した。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
実は1992年8月24日の国交樹立以降、中韓両国の友好協力関係は各分野で急速な発展を遂げてきた。政治では指導者の頻繁な相互訪問や国際的場での会談が相互理解・信頼を強化し、両国関係の発展を後押しした。経済では互恵協力を深め続け、互いに重要な貿易相手国となった。文化・教育・科学技術分野の交流や協力も日に日に活発化した。両国は地域・国際問題でも緊密な調整と協力を保ってきた。
だが昨年以降、中韓関係はTHAAD問題の深刻な影響を受けた。双方が踏み込んだ交流を重ねたことで、初めて現在の進展があり、両国関係と民間交流に光が差した。どのように付き合うかは中韓の直面する問題であるだけでなく、国際関係の解決しなければならない難題でもある。
第19回党大会報告は、中国の特色ある大国外交が新型の国際関係を構築することを指摘した。中韓関係の変遷は、相互尊重、公平・正義、協力・ウィンウィンという新型の国際関係の重要な含意が、国家間の調和ある共存、長期的な関係発展の基礎であることを改めて証明した。
相互尊重があれば誤った判断は効果的に避けられる。韓国の前政権は中国側の反応を誤って評価し、中国側の反対を顧みずTHAAD配備を頑として推し進め、中国側の戦略・安全保障上の利益を損ない、一連の悪い結果を招いた。THAADに対する中国側の立場は一貫して明確である。韓国が中国の立場と懸念を次第に「認識し」、中国の国益を尊重したからこそ、初めて両国がTHAAD問題を適切に処理する契機が得られたのだ。
公平・正義はゼロサムゲームの呪縛を解く。THAAD配備は安全保障の普遍性と相反する。韓国はTHAAD配備が朝鮮半島問題の解決にならないばかりか、地域の安全保障情勢をかき乱し、自国の発展環境を破壊するため、政策を調整しなければならないことに気づいた。韓国側は、米国のミサイル防衛体制に加わらず、韓米日安保協力を三者軍事同盟に発展させず、THAADの追加配備を行わず、現在韓国に配備されているTHAADが中国側の戦略・安保上の利益を損なわないことを公に表明した。
協力・ウィンウィンは国家関係の潤滑剤だ。中韓は隣人であり、互いを重要な協力パートナーと見ている。協力は両国及び両国民の共通利益だ。中韓が幾重もの困難を克服して意思疎通を図り、問題に真っ直ぐ向き合ったことは、両国間の相互依存を反映している。
現在の中韓関係の好転基調はようやく得られたものであり、韓国側が発言を具体的に実行に移し、中国側と同じ方向に向かい、平和な国際環境と安定した国際秩序の構築を共に後押しする必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年11月2日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn