米国のトランプ大統領が8日、中国公式訪問を開始し、まず故宮博物院を訪れた。歴史的・文化的雰囲気の濃い故宮で、両国首脳は独特な非公式の交流によって、中米関係の未来を計画する舞台の幕を開けた。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
国際社会はトランプ大統領の訪中を大変注視し、双方が具体的な議題でどのようなコンセンサスや成果にいたるかに関心を寄せるとともに、中米関係の将来の行方に関してどのようなメッセージを発するかにも関心を寄せている。次の3つの点を見抜き、納得することは、国際世論が中米関係の行方を見極め、中米首脳会談の重要な意義を理解する助けとなる。
第1に、中国をどう見るか。これは「中国の特色」を客観的、公正に認識することが鍵となる。中米は共に特色ある国であり、個性ある国でもある。中国は悠久の歴史を持ち、多くの人口を擁する発展途上国であり、中国共産党の指導する社会主義国でもある。第19回党大会は中国の特色ある社会主義が新時代に入ったことを宣言し、「二段階」の発展目標を定めた。国内的に富強・民主・文明・調和の美しい国の建設に努力することも、国際的に平和の永続する、普遍的に安全で、共に繁栄する、開放・包摂的な美しい世界の建設に尽力することも、人類運命共同体の構築に一層の貢献をするという中国の願いと決意を体現している。新時代に入った中国は引き続き中国の特色ある大国外交を実践し、平和・発展・協力・ウィンウィンの旗を高く掲げ、世界平和の維持、共同発展の促進という外交政策の趣旨を順守し、各国との友好協力の発展を揺るがず図る。このような中国の特色によって、中国が常に世界平和の建設者、世界の発展の貢献者、国際秩序の擁護者であることが確保される。中国の発展は世界のチャンスであり、挑戦ではなく、ましてや脅威ではない。
第2に、世界をどう見るか。これは歴史の趨勢を明確に認識することが鍵となる。故宮は中国の歴史の栄枯盛衰を目撃し、中国が立ち上がり、豊かになり、強くなり始める歴史の転換を目撃してきた。中国の歴史は世界の歴史と密接な関係にある。500年にわたる世界規模の植民・拡張時代及び戦争と革命の時代は終わり、ついに平和と発展の時代を迎えた。現在の世界は大発展・大変革・大調整の時代にあり、平和と発展が依然として時代の基調である。中国の戦略選択と発展路線は時代の潮流に合致する。習近平国家主席は「われわれの暮らす世界は希望に満ち、試練に満ちてもいる。現実の複雑さゆえに夢をあきらめてはならず、理想の遠さゆえに追求をあきらめてはならない。人類の直面する様々な試練に単独で対処できる国はない」と指摘した。中国はグローバル化を積極的に受け入れると同時に、グローバル化が各国にもたらす試練を熟知してもいる。各国は同舟相救い、より開放的・包摂的であまねく恩恵をもたらす、均衡あるウィンウィンの方向への経済グローバル化の発展を推し進めるべきだ。
第3に、中米間の競争をどう見るか。これはグローバルな視野を持つことが鍵となる。まず、世界の二大エコノミーであり安保理常任理事国でもある中米は、世界の平和・安定の維持、世界の発展・繁栄の促進において広範な利益を共有し、特殊で重要な責任を担っている。両国の利益は深く融け合い、相互包含的で互いに切り離せない状況をとうに形成している。次に、各国の結びつきと相互依存は日増しに深まり、中国は各国の外交における重みを増し、米国の同盟国は全体的に言って中米のどちらかを選ぶことを望まず、中国の「コミュニティ」も同様に中米が対立関係になることを望んでいない。
米新政権発足以来、良好な相互作用が中米関係の基調であり、オープニングは基本的に平穏だった。これは両国元首の戦略先導と切り離せない。第19回党大会の成功裏の閉幕から間もないトランプ大統領の訪中は、両国の相互理解の深化にチャンスをもたらした。両国元首は今回の会談を利用して、関心を共有する重大な問題について再び戦略的意思疎通を行い、新時代の中米関係の発展のために、さらに美しい青写真を描く。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年11月10日
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