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メーカーの不祥事が次々発覚 日本製造業に致命的なダメージ ?

人民網日本語版 2017年11月07日08:24

日本の鉄鋼大手・神戸製鋼所のデータ改ざん問題の影響が広がっている。これまでにわかっただけでもトヨタやボーイングといった500社以上の顧客が供給チェーンの中で問題ある製品の影響を被っている。世論が徐々に沈静化する中、神鋼ではまたしてもデータ改ざんの問題4件が発覚。川崎博也社長は、「外部の調査委員会を発足させ、2017年末までに調査結果を提出する」と発表した。(文:張玉来・南開大学日本研究センター副センター長)

神鋼の問題は実は日本の製造業に存在するスキャンダルの一つに過ぎない。10月初めには、日産自動車が無資格検査問題により110万台のリコール(回収・無償修理)に追い込まれた。その前には、東芝、タカタ、旭化成、三菱自動車などの有名企業でも一連の不正問題が発覚し、品質の高さに定評があった「日本製造業の神話」が泡のように消えつつある。

業績をよくみせようとした、というのが多くの問題を起こした企業が不正に手を染めた理由なのかもしれない。100年の歴史がある神鋼のデータ改ざんは、表面的には業績をめぐる巨大なプレッシャーが原因で、データを改ざんすることで連続赤字に陥った経営の劣勢を挽回しようとしたものと考えられる。だが根本的には、やはり企業内部の管理に問題があったといえる。神鋼は多元化戦略を実施し、従来の鉄鋼事業のほか、溶接、アルミ・銅、機械などさまざまな分野に進出してきた。こうした事業の間にはあまり関連性がなく、企業内部で情報の連携や交換がスムースに行われず、研究開発(R&D)経費が大幅に不足していたこともあり、最終的にデータ改ざん問題の発覚という事態に至った。

一連の問題を起こした企業が次々に現れたことが映し出す根本的な問題は、長年にわたり日本の製造業の強さを支えてきた社会の基盤が崩れつつあることだ。第1に、20世紀に日本で生まれ発展した企業家精神が徐々に消え失せ、松下幸之助、盛田昭夫、本田宗一郎の各氏のようなリーダーを最近はほとんど見かけなくなった。日本の製造業は全体として攻めから守りに転じている。

第2に、日本のかつて世界を率いた生産組織モデルも時代遅れになった。一時期輝きをみせたリーン生産方式は米アップル社のビジネスモデルの破壊的な攻撃を受けている。またモノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)といった新技術革命が新しい生産モデル革命をはぐくみつつあり、こうした新情勢は技術のガラパゴス化という過ちから脱出したばかりの日本企業にとって新たな課題になっている。

第3に、日本企業の全体的な基礎研究レベルも低下を続け、この分野は人材が不足し、大学も企業もすぐに利益には結びつきにくい基礎科学に経費を出したがらなくなり、基礎研究に従事する若い人材がますます減っている。


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