全人代代表、中国航天科技集団第五研究院有人宇宙船チーフエンジニアの張柏楠氏は7日、「中国の新型有人宇宙船の研究は、世界と足並みを揃えており、世界先端技術を見据えている。再利用可能と複数の用途を特徴としている。海外と同じペースで世界一流、さらにはトップ水準の製品を発表したい」と表明した。科技日報が伝えた。
まだプロジェクトとしては立ち上げられていないが、中国は次世代有人宇宙船の研究を早くから開始しており、一定の進展を実現している。2016年6月に長征7号ロケットが初めて打ち上げられた際にも、次世代宇宙船の縮小版帰還モジュールが搭載されていた。これを宇宙に送り込み、空気動力など重要技術の検証を実施した。
張氏によると、次世代宇宙船は有人月上陸や、近地球軌道上の任務に用いることができる。人と物資を運送する能力が飛躍的に向上し、さらに再利用することでコストを引き下げる。こうした各種指標は世界一流を見据えている。そのため現役の神舟宇宙船と比べると、変化が非常に大きい。
例えば現役の宇宙船は近地球軌道から帰還する際に、速度は毎秒7.9キロの第一宇宙速度となるが、次世代宇宙船は月から帰還する能力をつける必要があり、その速度は毎秒11.2キロの第二宇宙速度となる。全国政協委員、中国航天科技集団第十一研究院空気動力専門家の周偉江氏は、「高速で大気圏に突入すれば空力加熱がさらに激しくなるため、耐熱の問題が生じる。空気動力設計により、全体的なエネルギーのバランスをとり、最大加熱時の耐熱性を持たせる必要がある。これは野菜炒めのようなもので、強火で炒めれば焦げやすいため、弱火でゆっくり炒めるようなものだ。また空力加熱により宇宙船周辺の気温が上がり、空気の特性が変わるため、その難しさは中国の宇宙船設計でかつてない程度であり、次世代宇宙船の空気動力設計の新たな問題となる。これは通常の宇宙船の設計とは大きく異なる」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年3月8日
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