入館者の減少や老朽化のため閉館した千葉県の「犬吠埼マリンパーク」で、8ヶ月もさびしく1匹だけ泳ぎ続けているイルカの「ハニー」を心配する声が日本で高まっている。
関東平野最東端に位置し、太平洋に面する「犬吠埼マリンパーク」は、2011年の東日本大震災で生じた福島第一原発事故の影響もあり、来場者が落ち込み、今年1月に閉館に追い込まれた。しかし同水族館にはイルカのハニーのほか、ペンギン46羽、多くの魚類やウミガメなどが残され、今も同館で飼育されている。
閉館後も飼育スタッフが餌を与えているものの、以前のような細やかな世話まではできなくなってしまっているという。
動物愛護団体PEACEの東さちこ代表は、「水族館はすでに閉館しており、收入も無い状態でこれらの海洋動物をいつまで世話できるのかも分からない」と心配している。
閉館した水族館で、元気なくしょんぼりと泳ぐハニーの姿や、痩せてぼんやりと立ちすくむペンギンたちの姿を目にした日本のネットユーザーや動物愛護団体の人々は、怒りを覚えると共に、ネット上で「ハニーや他の動物たちを早く助けて」と呼びかける抗議活動を行っている。しかし、現在までに水族館を運営するマリンパークやその親会社からは何の回答も得られていない。
「ハニー」が2005年に捕獲された和歌山県太地町は、イルカにとっては「地獄」のような場所とも言え、毎年大量のイルカがそこで捕獲され、殺されている。米国のルイ・シホヨス監督が制作したドキュメンタリー「ザ・コーヴ」はそのイルカ追い込み漁を描いている。漁民に捕獲されたイルカの一部は水族館に売られたり、殺されて食べられたりする。「ハニー」は幸運にも水族館に引き取られたイルカだ。「ザ・コーヴ」は公開後、世界で大きな反響を呼び、世論の影響もあって、日本動物園水族館協会(JAZA)は「追い込み漁」で捕獲されたイルカの入手を禁止した。しかし、イルカの追い込み漁は今でも続いている。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年9月4日
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