広東省広州のあるアウトドア旅行会社でツアーガイドを務める丁丁さんは、国慶節(建国記念日、10月1日)連休中、数度にわたり、大陸部観光客のグループを率いて香港ラマ島ハイキングツアーを行った。このツアーに参加した観光客は、全国から広州に集まり、広深港(広州‐深セン‐香港)高速鉄道に乗って香港西九龍駅に直行した。新華社が報じた。
丁丁さんは、「広深港高速鉄道の開通後、国慶節連休中のツアーに申し込む客が目に見えて増加した。彼らの多くは、京広(北京―広州)高速鉄道沿線の河南、湖北、湖南各省から参加してきた。高速鉄道の速さに惹かれ、多くの大陸部観光客が、連休中の旅行先として真っ先に香港を選んでいる」と話す。
人気が集中しているのは「南下」だけではなく、「北上」もブームとなっている。香港労働組合連合会大陸部サービスセンターの邵建波・副主任は、「高速鉄道を利用して大陸部の親戚や友人を訪問する香港市民も、かなり増加すると予想されている。私自身も広深港高速鉄道を利用することで、時間的コストが大幅に削減されるだけではなく、快適性も非常に高いことを実感した」としている。
香港海洋公園の営業総監を務める蕭学軍氏は、「海洋公園が大陸部の旅行会社と提携して打ち出した高速鉄道優待キャンペーンは、かなり良く売れている。国慶節連休中、多くの観光客が、厦門(アモイ)や福州から高速鉄道を利用して海洋公園を訪れた。高速鉄道ツアーの中には、参加者が100人を上回るツアーもあった。国慶節後も、高速鉄道ツアーブームは冷めることはなく、華南地方からの観光客は約10%増加すると見込まれる」と紹介した。
6日、西九龍駅口岸(出入境検査場)は、大陸部に向かう香港からの観光客と大陸部にUターンする観光客により、客流のピークを迎えた。香港特区政府入境事務処の統計データによると、国慶節連休初日、西九龍駅から出入境した人の総数は延べ7万8千人を上回り、広深港高速鉄道香港区間の開通初日9月23日の記録(延べ約7万5千人)を塗り替えた。5日、この記録は再び更新され、延べ8万1800人に達した。
高速鉄道香港区間を運営する香港鉄路有限公司(香港MTR)の劉天成・車務総監は、「香港MTRは、9月28日から10月7日までの間に、高速鉄道の前売り乗車券を25万枚販売した。乗車駅で乗車券を購入する乗客の需要を満たすため、香港MTRは西九龍駅の『12306』乗車券予約販売システムの乗車券受取カウンター窓口を7ヶ所から10ヶ所に増やした」と話した。
中国鉄路広州局集団公司(広鉄集団)によると、10月6日と7日の両日、同社もUターン客のピークを迎え、利用客数は計193万人に達した。Uターン客は主に、周辺都市や人気観光エリアから広州・深セン・長沙などの大都市に向かう人々に集中している。このため、鉄道部門は、旅客列車63往復を増発し、このうち高速鉄道列車は33往復に上り、Uターン客の客流ピークに全力で対応にあたった。
「高速鉄道ツアー」を選択する観光客は増加の一途を辿っており、国内高速鉄道ネットワークの拡大を後押ししている。統計データによると、2017年末の時点で、中国高速鉄道の営業総距離は2万5千キロメートルに達し、世界トップに立った。京滬(北京-上海)高速鉄道、滬昆寧(上海-昆明-南京)高速鉄道、杭深(杭州-深セン)高速鉄道など多くの「高速鉄道観光ライン」の運行は、各地の観光市場の構造にスピーディな変化をもたらしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年10月9日
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