日本国内の規制を突破するために、日本企業が直視しなければならない現実の環境とはどのようなものだろうか。津賀氏はスピーチの中で、何回も「自問自答」の語を用い、「企業は時代に合わせて変わらなければいかないが、より必要なのは堅い意思と信念であり、これまでよりも大胆に国境のカベを越える必要がある」と述べた。柳井氏も、「企業のすべての社員が変わらなければならない。自分が変わらなければ会社を変えることはできない。成長しなければ会社は死んだも同然」と応じた。
▽多様な人材を育成し、中国企業から失敗への寛容さを学ぶ
サッカーの試合が終われば集団でゴミ拾いをするサポーター。地震が起きると給水所に整然と並ぶ被災者。日本では珍しくない現象だが、樋口氏は、「秩序の背後で個性が押し殺されている」と指摘し、「現代の多様化する社会では多様な人材の育成に重きを置くべきで、これは未来の100年間に企業が必要とする人材でもある。これまでの日本企業の文化はガチガチで重荷になるものが多く、従順な社員を必要としていた。ルールを守ることは確かに大切だが、企業には自ら現状を変えようとする社員がより必要だ。企業は性別、年齢、キャリアの制限を取り払い、組織の壁を打ち破らなければ、競争力をもてなくなる」と述べた。
新浪氏は「スピードが現在の市場競争のポイント」とした上で、「中国企業にも失敗はあるが、失敗に対して寛容で、やってみること、それからどのようにやってみるかを重視する。日本企業も失敗してもよいからやってみることが必要だ。急いては事をし損じるなどとよく言われてきたし、今でも慌てないことが強調されるが、必要なのはスピードアップだ」と述べた。
日本の一橋大学の楠木建教授は、「安倍首相の中国訪問が成功して、中日の政治的関係は改善した。日本企業はこれから中国市場によりシフトし、お互いの優位性によって相互に補完し合うべきだ。日本企業は良好なチャンスをつかまえるべきだ。ほとんどの日本企業には質の高い製品がありながら、経営スピードは三流だ」との見方を示しつつ、「だが日本企業は自身の優位性を保ち続けなければならない。中国企業のまねをして、スピードと効率が向上しても、自身の特徴が失われ、アウトソーシング企業に成り下がるだけだ」とも指摘した。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn