中国には現時点では、グローバル化されたアパレル企業はない。中国国内市場であっても、中国のアパレルブランドは、インターネットという逆風にさらされているのに対して、ZaraやH&M、ユニクロなどのファストファッションブランドは、販売が絶好調だ。では、中国ではなぜユニクロのようグローバルブランドがなかなか誕生しないのだろう?人民日報海外版が報じた。
客観的に見ると、中国のアパレルブランドと、世界的な超人気ブランドには、歴史の長さという点で大きな差がある。例えば、ユニクロは1963年、H&Mは47年に創業し、Zaraも75年に創業した。一方、中国のアパレルブランドに大半は歴史が浅く、それら海外のブランドには到底及ばない。
中国のアパレルブランドの成長史と、国外ブランドのそれも異なる。中国紡績工業聯合会産業経済研究院の趙明霞・副院長は取材に対して、「国外のアパレル企業は、特化型分業を早くに実現した。Zara、H&M、ユニクロは伝統的な意味における衣類メーカーではなく、その主体は商品開発やマーケティングに集中し、サプライチェーンのコントロール能力に優れている。一方、中国のアパレル企業の大半は、衣類の加工・生産がその始まりで、今でも依然として製造を主体とし、衣類の生産、ブランド開発、商品デザイン、販売ルートなどの問題も自分で解決しなければならず、国外のアパレルブランドの発展スタイルとは異なっている」と説明した。
また、「例えば、ユニクロの商品の多くは、中国のOEM企業が製造しており、中国のアパレルメーカーの発展には、ユニクロのようなファストファッションブランドへのシフトが必ず必要かは、さらなる議論が必要だ。中国の紡績品・衣類の内需市場規模は膨大で、紡績・衣類の自主製造産業の安定した支えが必要だ。中国の内需市場には、多層、多元化という特徴があり、ブランド・企業にはいろんな発展の道がある」との見方を示す。
そして、「もちろん、国際的な競争力を有する自主アパレルブランドを育てるというのは中国の紡績工業の変わらない目標で、中国のアパレル企業や業界組織は現在、業界の人材育成、優秀なデザイナーの招聘、国際化した展示プラットフォームの構築などを重視するなど有意義なチャレンジを行っている。ブランドの一番の基礎になるのは品質の高さで、それに加えて、豊富な文化的クリエイティブの要素、市場への適応能力、良好な社会的責任イメージなどが必要になってくる。うち、市場の需要や流行の動向に対する研究、ファッション文化に対する理解などの強化が現時点で特に重要だ」と指摘した。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年10月15 日
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