南京大虐殺事件の研究者で日本銘心会の会長を務める松岡環さんはこのほど、独占取材に応じ、「我々は、歴史の真相と被害者の痛みを、日本の人々に伝え、次世代に引き継がなければならない。日本は今もなお、侵略の歴史を隠し、歪曲しようとしている。南京大虐殺という史実をより多くの人々に知ってもらいたい」と訴えた。新華社が伝えた。
日本銘心会は、南京大虐殺の史実を追求する市民団体で、長年にわたって史実の調査・研究に携わってきた。同会の会長を務める松岡環さんは、かつて、小学校で歴史を教えていたが、そんな教員時代に、日本の教科書は侵略の歴史を歪め、深く触れていないことに気づいたという。その事実に不公正さを感じた松岡さんは、30年前から数百人に上る大虐殺の生存者と中国侵略日本軍の元兵士から話を聞いて記録に残し、彼らの証言を書籍や映画にまとめて出版・発表し、世の人々に真相を知ってもらおうと尽力してきた。
松岡さんは、「終戦からすでに70年以上経った今も、日本社会は歴史の加害者であるという事実を認めようとせず、侵略の事実を否定し、覆い隠そうとしている。南京大虐殺といった日本が加害者となった歴史の内容は、日本の教科書からどんどん消えている。影響力を持つ日本の一部の歴史修正主義者も南京大虐殺を否定し、『南京大虐殺は無かった』、『30万人が被害に遭ったというのは真実ではない』と声高に主張している」と指摘した。
また松岡さんはこれまでに、南京大虐殺に関する書籍を数多く出版するだけでなく、当事者であった元日本兵が証言する様子を撮影・記録してきた。また、これらの貴重な撮影資料を用いて、「太平門 消えた1300人」を含む南京大虐殺ドキュメンタリー映画を3作品制作し、現在4作目の制作を計画している。銘心会は、数年前から、他の日本の民間団体と共同で、戦争の真相を暴くため、映画上映会や歴史講演会、勉強会など様々な形式の活動を行っている。
そして松岡さんは、「日本が、かつての侵略戦争で被害に遭った各国やその国の人々から尊敬を得るためには、我々が進んで歴史を直視し、歴史を省みて、真相を次の世代に伝えるという方法しかない」としている。
12月11日から、松岡さんは日本の市民訪中団を率い、南京などを訪れ、戦争関連紀念館の見学、大虐殺の生存者の慰問、中国人学者・市民との交流など各種活動を行った。彼女は1998年から、毎年このような訪問・交流活動を続けており、これまで800人以上の日本人が参加したという。
松岡さんは、「このような活動を続けていくことで、史実をあまり理解していなかったより多くの人々が、真相を知る力を得ることができる。私は決してこの歩みを止めるつもりはない」と締めくくった。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年12月13日
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