演劇などのスタイルを通して、名作書籍を紹介するテレビ番組「一本好書(THE WONDERFUL READ)」の2回目が中国で放送され、好評を博しており、ネットユーザーの評価も9.3ポイントと高くなっている。北京晩報が報じた。
「一本好書」は、評価サイトでは、「リアリティ番組」に分類されているのに対して、製作者は、「本の各場面をリアルに再現する初の番組」と説明している。関正文総監督も、「番組名を決めるのは簡単で、迷いはなかった。これは良い本を紹介する番組だ。でも、そのジャンルとなるととても難しい。今も、それがバラエティ番組なのかどうかは分からない。特定の方法で解説、分析しながら本の魅力を伝えるというのがその目的だ。『84 Charing Cross Road』を紹介する回では、『僕は新しい本が嫌いだ』とうセリフがある。役者はその言葉の意味が分からなかったが、その解説は、『新しい本を買うというのは、試着したことのない服を買うようなもの』だった。その例えは、とても適切で、この番組は読書のための『試着室』のようなものだ」と説明する。
第一回では、英国の作家・サマセット・モームの小説「月と六ペンス」が紹介された。同小説は、イギリスの証券会社で働いていたストリックランドが、他の人から見れば豊かで幸せな暮らしをしていたにもかかわらず、ある日突然妻を残して消え、画家を目指す姿を描いている。この物語は、「月を仰ぎ見ているのか、それとも六ペンスで満足してしまっているか」と読む人に問いかけている。その「月」は、高い所にありそう簡単には手が届かない夢を、「六ペンス」はごく普通の生活を意味する。360度回転するステージで、小説に出てくるシーンをリアルに再現し、俳優の趙立新(チャオ・リーシン)が作者のモームと、解説者を演じ、黄維徳(ビクター・ファン)が主役のストリックランドを演じ、抑揚に富んだ、素晴らしい舞台演劇を披露した。第二回では、歴史学者・黄仁宇の名作「万歴十五年」が紹介された。俳優の王勁松(ワン・ジンソン)が定陵に眠り、神の視点を持つと言われた万歴帝の若年から中年、そして老年に至るまでを演じ、その一つ一つのシーンをつなぎ合わせることで、波乱に満ちた万歴帝の人生を描き出し、視聴者を明朝の第14代皇帝である万歴帝の一生を探るためにこの本を是非読んでみたいという思いにさせている。
舞台で演じやすいのはもちろん小説であるものの、関正文総監督は、「『一本好書』はおもしろい物語を描いたり、素晴らしい舞台劇を作ることが目的ではない。そのため、番組の形態は、第一回と第二回のような演劇のスタイルだけではない。例えば、『ホモ・サピエンス:人類の歴史』の場合は論述のスタイルになる。それぞれの本にあった特定のPRスタイルを見つけたい。そのスタイルが見つかっておらず、見つけるのが難しい作品も確かにあるが、頑張って見つけたい。なぜなら、この番組の趣旨は自分たちの能力を見せるためではなく、良い本をPRすることだから」とし、「今後はいろんなジャンルの本を紹介する。例えば、SF小説の『三体』、手紙形式の小説『84 Charing Cross Road』、茅盾文学賞受賞小説『塵埃落定』、社会科学分野の名作『ホモ・サピエンス:人類の歴史』、『21 世紀の歴史――未来の人類から見た』、ノーベル賞受賞作家・ガブリエル・ガルシア=マルケスの名作『コレラの時代の愛』などがある」と説明した。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年10月24日
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