「私の夢は国際的なファッションブランドをつくって、世界中の消費者に認められること」。若きデザイナーのエヴァンさんはこう語る。エヴァンさんは英国のロンドン芸術大学の卒業生で、専攻はファッションデザインだった。2012年、エヴァンさんとパートナーはレディースアパレルブランドの「イーブンビンテージ」を立ち上げ、中国のショッピングサイト・淘宝(タオバオ)を起業の拠点にした。今や淘宝での売上高は年間2千万元(1元は約15.9円)を超え、エヴァンさんは、「ついに小さな一歩を踏み出した」と話す。現在はロンドンに凱旋してショーを開催し、中国のデザインの新たな潮流を紹介する計画を立てている。
淘宝が発表した「2018年中国オリジナルデザイン起業・消費報告」によると、エヴァンさんのような若いデザイナー約5万人が淘宝を選択し、淘宝に集まっている。これを支えるのは、勢い盛んな淘宝での起業ラッシュの流れと中国の消費者のオリジナルデザインに対する非常に強い熱意と後押しだ。同報告によると、18年のデザイン製品の取引額は数百億元にも達し、95後(1995年から1999年生まれ)の女性消費者がとりわけオリジナルデザイン製品の購入意欲が高く、顧客一人あたりの購入単価は全体平均の4倍以上に達したという。
オリジナルデザインだけでなく、オーダーメイドツアーもここ数年の新興の観光消費スタイルだ。胡娜娜さんは携程旅行網プラットフォームの「現地ガイド」で、2013年に浙江省杭州市にやって来た当時は、旅行会社でガイドをしていた。当時引率した団体ツアーは高齢者が主体で、行程は事前にきっちり決められており、計画通りに進めなければならなかった。胡さんは、「ある時、山東省から来た高齢のお客様のツアーで、ある男性が胡雪岩(清時代の実業家)の住んでいた家をぜひ見たいとおっしゃいましたが、行程には含まれていませんでした。その方は、『杭州に来るのはこれが最後になるだろう』とおっしゃり、私は本当に申し訳ない気持ちになりました。その方は83歳だったんです。でもどうしようもありませんでした」と振り返る。
胡さんは2年前、携程の「現地ガイド」になった。従来型のガイドやよくある団体ツアーとは異なり、「現地ガイド」はプラットフォームで依頼を受け、旅客のニーズを踏まえて、その人に合った個性的な行程を組む。これまでにガイドをした回数は600回を超えた胡さんは、今では自分のガイド活動拠点も設立し、いろいろなタイプのガイド6〜7人を抱え、ニーズに応じてガイドサービスを提供している。
ここ数年、中国観光市場は飛躍的な成長を遂げた。団体ツアーから自由旅行へ、セミオーダーツアーからオーダーメイドツアーへ、数年の発展期を経て、人々の旅行ニーズは以前のような「バスを降りて写真を撮り、バスに戻って昼寝をする」といった単純なものではなくなり、より心に響く、より深みのある、より個性的な旅行サービスが求められるようになった。胡さんのような「現地ガイド」はますます引っ張りだこで、これは一つの側面から中国人観光客の旅が「プライベートオーダー時代」に突入したことを示している。特にインターネットを通じたオーダーメイドツアーの存在により、オーダーメイドツアーが急速に普及し大衆化している。携程のオーダーメイドツアープラットフォームの場合、オーダーメイドツアーは団体ツアー、自由旅行に並ぶ旅のスタイルの一つの主流となり、今や1500社を超えるサプライヤーに5千人を超えるオーダーメイド旅行手配師が加入しており、18年の取引件数は前年比120%増加した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年1月10日
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