英市場調査会社ミンテルがこのほど行った中国人消費者の免税品購入行動についての調査によると、中国人消費者の免税ショッピングは今や従来型の海外旅行での小売チャンネルに限定されなくなった。代理購入や免税店のサイト、市中免税店といった海外旅行以外のショッピングチャンネルが、免税ショッピングの競争の中で市場チャンスを奪いつつあるという。「国際商報」が伝えた。
この調査は中国都市部の24〜49歳の消費者3千人を対象に行われたもの。それによると、過去12ヶ月間に「代理購入で免税品を買った」人が55%に上ったほか、37%が免税サイトで、35%が市中免税店で、それぞれの免税品ニーズを満たしたと答えた。
ミンテルの陳泓月シニア研究アナリストは、「海外旅行は中国人消費者にとって実現が難しいことではなくなり、免税ショッピングは旅行での主な支出項目の一つだ。海外旅行に関連したシーンやチャンネルは現在の免税小売の最前線だが、オンラインサービスの持続的な発展に伴い、免税ショッピングはもはや海外旅行シーンだけに限定されなくなった。SNSとECが消費者により多くの免税ショッピングの機会をもたらし、消費者は海外旅行に行かなくても免税品を買えるようになった。免税小売企業はますます増加する海外旅行者から利益を得るだけでなく、免税小売シーンの延長・拡大からも利益を得ることができ、特に全チャンネル戦略を採用してオンライン業務とオフライン業務を重点的に開拓することで利益を得ることができる」と説明する。
それでもなお、中国人消費者の海外旅行が世界の免税小売産業の発展にとって強大な推進力であることに変わりはない。ミンテルの調査では、回答した中国人消費者の83%が、「海外旅行では空港や港など交通ターミナルで免税品を購入する」と答えている。これと同時に、60%が、「旅行先の市中免税店で買い物をする」と答えた。規模をみると、過去12ヶ月間に中国都市部の消費者で「海外旅行をした」と答えた人は75%に達した。
ミンテルが中国人消費者の選ぶ旅行先を分析したところ、「中国人消費者は海外旅行に行くようになったが、ほとんどの人はそれほど遠くまで行かない」ことがわかった。消費者に最も人気のある旅行先のうち5分の3をアジアが占め、日本が1位(30%)、タイが2位(22%)、米国が3位(16%)、フランスが4位(12%)、韓国が5位(9%)だった。
一方、消費者の旅行先の選択が免税ショッピングの動きに影響を与えていることがわかった。アジアの免税小売企業が中国人の海外旅行者の間で最も人気がある。免税ショッピングでどこの国の免税店が一番好きかをたずねたところ、「韓国の免税店が一番好き」とした人は34%で最も多く、次が日本の21%、3位が中国大陸部の13%だった。米国は6%で4位、フランスは5%で5位だった。
また中国人消費者は免税品を購入するときに、正規品かどうかを非常に重視することがわかった。好きな免税店があると答えた回答者の半数を超える54%が、「正規品の保証があることが免税店ショッピングを選ぶ要因」だとした。このほかの要因として、「豊富な品揃え」が43%、「お得な価格」が43%、買い物体験の付加価値を高める「快適なショッピング環境」が32%。このほか「支付宝(アリペイ)または微信支付(WeChatペイメント)で支払えるかどうか」(24%)、「中国語サービスがあるかどうか」(23%)も免税店を選ぶ際の重要な要因だという。陳氏は、「韓国と日本は地理的に近いだけでなく、ブランド意識や文化的アイデンティティの面でも中国人消費者にとって優位性がある。韓国と日本の免税小売企業は一連の営業販売プランやサービスプランを打ち出したり、中国語サービス、支付宝や微信支付を導入したりして、中国人消費者のニーズによりよく応え、より快適なショッピング体験を生み出している。実際、こうした成功のカギはアジア免税小売企業が採用するブランドイメージ構築と品揃え戦略にある。世界各地の免税小売企業は日本と韓国の同業者の経験に学んで、中国人消費者をより多く誘致する必要がある」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年12月12日
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