大手SNSではペット動画が人気の高いコンテンツの1つになっている。ネットがもたらしたペットブームは一大ブームとなり、若いネットユーザーが次々に波に乗っている。一方で、ペットに関する情報フローが巨大な商業的価値を生み出し、ペット消費がもたらす「ペット経済」が新消費時代の特徴の1つになっている。人民日報海外版が伝えた。
▽オンラインとオフラインで人々を引きつける
90後(1990年代生まれ)のホワイトカラーの小霏さんは普段は仕事が忙しいが、夜寝る前にはいつも30分ほど、微博(ウェイボー)や抖音(ティックトック)などのプラットフォームでペットの写真や動画を見ている。
小霏さんは、「ペットの動画を見ていると楽しくて、癒やされたような気持ちになる」と話す。ここ数年、SNSやショート動画プラットフォームにはペットを主要コンテンツとしたアカウントが多数登場し、大勢のフォロワーを集めている。ペット好きの中で多いのは小霏さんのような自分でペットを飼う余裕はないが、ネットで猫や犬に親しむ若い人々だ。
同じくペット好きの80後(1980年代生まれ)のメディア関係者・涛涛さんは、3年前から猫を3匹買っている。2018年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)には、キャットフードや猫砂などペットのための食品や雑貨をたくさん買い込み、2千元(1元は約16.2円)以上使った。「自分のものよりペットのものの方が多かった」という。
ネット上のペットにしても、実際に飼っているペットにしても、中国人はますますペットをかわいがるようになっている。データによれば、中国のペット数は10年の9601万匹から17年の1億6800万匹に増え、ペットのいる世帯は17%に達した。また猫好きは5千万人に達し、消費者の規模は3千万人に迫るという。
ペットはオンラインで、オフラインで、なぜこれほど多くの人を虜にするのだろうか。専門家は、「所得水準の向上がペット経済、ペット消費の急速発展の基礎固めをした。これと同時に、ますます増加する単身者と進行する高齢化が間接的にペット経済の発展を後押ししている。犬や猫などのペットを飼うことで心を癒やすのが、新たな消費習慣、生活習慣になっており、ペットは飼い主にとって付属品からパートナーへと意味合いを変えた」との見方を示す。
▽1千億元規模の市場が生まれる
ペットブームをめぐり、一連の生産、販売、サービスを含むビジネス活動が1千億元を超える規模の市場を生み出した。データをみると、18年の中国ペット消費市場規模は1708億元で、前年比27%増加した。20年には2千億元に達する見込みだ。「2018年中国ペット産業白書」によれば、猫・犬の飼い主が1年間にペットに使う金額は平均5016元に上り、毎月400元以上使っていることになる。
ペット消費の伸びがネットのペット産業の発展をうながした。同白書によると、犬・猫の買い主のペット消費の中心は商品消費で、ペットフード、ペットの医療サービス、ペット用品、その他の消費(トリミングやホテルサービスなど)に主に集中する。
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