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干しいもの品質で勝負 日本・茨城の農家の海外進出

人民網日本語版 2019年02月19日14:25

世界ほしいも大会について、聞いたことがあるだろうか。日本の茨城県の農家が2016年に現地で開催した国際的な干しいも業界の交流品評会のことだ。

同県中部の東側、太平洋に面した東海村は、水はけのよい肥沃な黒土で、サツマイモの栽培にとりわけ適している。現在、東海村とその周辺は日本最大のサツマイモ産地で、生産量は国内市場の約90%を占める。

照沼家は昔から同村で農業に従事し、現在の照沼勝浩さんで20代目になる。勝浩さんは一家の長男として、高校を卒業すると父親が創業した株式会社照沼勝一商店に就職した。当時の主業務は現地で生産された旬のサツマイモとスイカの卸売だった。

茨城県は北を福島県と接し、1990年代に福島の原子力発電所で事故が起こるたび、同村のサツマイモ販売は直接的な影響を被ってきた。勝浩さんは当時、「環境と安全は勝負の前提。地域ブランドを打ち出すより、個性的なブランドを立ち上げた方がいい」と考え、量と質のうち、質を選択した。

2004年、42歳になった勝浩さんは父親から事業を受け継ぎ、農業生産法人・照沼勝一商店の2代目会長になった。そしてこれを機に、ビジネスの才能を発揮し、さまざまな干しいもを打ち出し、小ぶりの干しいもで成功のきっかけをつかんだ。

それからまる12年、勝浩さんはさまざまなものを取り入れ、外に打って出て、経験を積み、繰り返し模索し、土壌の改良や病虫害対策に取り組んできた。生産量が大幅に減少した苦しい時期を乗り越え、ついに体系的な自然栽培の方法を見いだした。

自然栽培のサツマイモは収穫量はそれほど多くないが、甘みが強く栄養価が高く、より重要なポイントとして安全性が高い。栽培に工夫を凝らしただけでなく、勝浩さんは熟成、皮むき、消毒、陰干しなど各段階についてもテストを繰り返し、改良を続けた。

同商店は長年の努力の末、見た目、色つや、口当たり、栄養価のすべてにおいて優れた純天然のグリーン干しいもの開発に成功した。そうして市場で幅広く人気を集めるようになったが、2011年3月に東日本大震災が発生し、福島県の原発で放射能漏れ事故が起こり、東北地方一帯の農産品は危機に陥った。東北に近い茨城の干しいももかつて経験したことのない苦境に立たされた。

勝浩さんは、「東海村の農家として、干しいも事業をダメにするわけにはいかない」と決意。日本の国際協力機構(JICA)の協力を得て、13年にアフリカを視察したところ、タンザニアには各種のサツマイモ栽培に適した肥沃な土壌があり、気候も日本より温暖で乾燥して、干しいも作りにぴったりなことを知った。さらに現地では伝統的に干しいもが作られてきたこともわかった。


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