天津市浜海新区中新天津生態城にある110kV遊楽港スマート変電所がホログラフィックモデルの建設を完了し、「デジタルツイン」技術応用に向かう一歩目を踏み出した。今年の年末までに天津初の「デジタルツイン」発電所が完成し、稼働開始する見通しだ。新華社が伝えた。
「デジタルツイン」とはデジタル化の手段により物理的対象のVR( バーチャルリアリティ)模型を作ることで、その実際の環境における行為をシミュレートし、それに対応する実体設備の全使用期間のプロセスを反映する。同技術はインダストリアル・インターネットなどの数多くの分野ですでに使用されている。5G技術の浜海新区におけるテスト事業の展開に伴い、「デジタルツイン」技術がスマートグリッドの建設で応用される可能性が出てきた。
国網天津浜海公司運検部変電運検室の陳暁旭副室長は「当社は今年、電力IoTの建設の呼びかけに応え、110kV遊楽港スマート変電所をテスト対象とし、デジタルツイン変電所の建設を展開している。2つの変電所の一方は実際に存在する実体を持つ変電所で、もう一方はデジタル・VR世界の中に存在する。後者を利用することで実際の変電所の稼働状況をリアルタイムで監視・コントロールし、潜在的な故障を速やかに発見することで、直ちに修理し危険を未然に防ぐ」と説明した。
陳氏によると、今回のフルパノラマスキャン車両を使ったホログラフィックモデルの建設は、「デジタルツイン」変電所の建設の一歩目となる。今後はIoTやVRなどの各種デジタル化手段により、変電所の各種指標・データをVRデジタル空間内に反映し、最終的に「複製」を実現する。
「デジタルツイン」は単なる複製ではなく、応用がより重要だ。陳氏は「ツインの変電所の完成後、スマートクラウドプラットフォームを利用することで、変電所のデータを全面的に展示し、リアルタイムの監視・コントロールが可能になる。従来は作業員が変電所の大量のデータを分析する必要があったが、今後はこのツイン変電所を通じ簡単にデータを入手し、分析と処理を施すことができる。統一的なデータプラットフォームの不足、データ分析の不足、設備リスクの判断が困難といった難題が徹底的に解消され、変電所に対する全域・全使用期間の管理を実現した」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年6月24日