〇名作は繰り返し観る価値あり
大象電影メディアディレクターの肖副球さんは、「『千と千尋の神隠し』の人気がこれほど盛り上がったのは少しも意外なことではない。昨年、宮崎駿監督作品『となりのトトロ』が中国国内で初公開されたが、それがちょっとしたトライアルになった。『となりのトトロ』の最終的な興行収入は1億7千万元に達し、なかなかの興行成績だった。『千と千尋の神隠し』は多くの映画ファンから最も優れた作品の一つと見なされており、世界規模で数多くのファンがいる。また、今回の上映期間をみても、その人気に匹敵するような同時期公開作品はまだない」との見方を示した。
映画評論家の周黎明氏は、「自分自身、大型スクリーンで『千と千尋の神隠し』が初上映されることを心待ちにしていた。この作品は、世界で最も素晴らしいアニメーション映画の一つであり、世界でも上位10位に入る。また、この作品はどの年齢層が観ても楽しめるようになっており、繰り返し観るのに適している。20歳の時と40歳の時とでは、全く異なることを感じるだろう」と指摘した。
今回の「千と千尋の神隠し」中国初公開にあたり、国内の宣伝企業もさまざまな準備を重ねてきた。中国語吹き替えバージョンでは、周冬雨(ジョウ・ドンユィ)や井柏然(ジン・ボーラン)、彭昱暢(ポン・ユィチャン)、田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)、王琳(ワン・リン)などが吹き替えを担当し、また、歌手の周深(ジョウ・シェン)が中国語版主題歌を歌った。著名な映画ポスターデザイナーの黄海氏が新しくデザインした2種類のポスターは、微信(WeChat)のソーシャル機能「モーメンツ(朋友圏)」で大きな話題となっている。
「千と千尋の神隠し」の上映は「ノスタルジーを売っている」との声があるが、周氏はこれに対し、「本当に『ノスタルジーを売っている』としてもそれはどうでもよいことだ。リバイバル上映できるかどうかは市場の成熟度と直接関係している。5年前だったら、この映画の上映は想像もできなかった。『千と千尋の神隠し』のような優れた作品であると同時に大衆向きの映画であれば、現在の新作映画と比べても、ほかの作品が取って代われない魅力を備えている」と述べた。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年6月25日