あなたはSF映画の美しい「空気中のタッチパネル」に注目したことがあるだろうか。立体的な建築物、広大なる宇宙、動く人々が空中を漂う。指を動かすだけで交流させ、操作することが可能だ。今やこのクールなハイテクがスクリーンを飛び出し、中国科学院の90年代生まれの若者によって現実となった。この2人の若きテック創業者の名は、韓東成氏と范超氏だ。彼らは大学院時代のルームメイト、友人で、二人の名前を使用した東超科技という会社を共同創業した。人民網が伝えた。
彼らの発明成果は、専門用語で「インタラクティブホログラフィックエアーイメージ」と呼ばれる。と呼ばれる。従来の特殊な媒介を必要とした「ホログラム技術」、すなわちVR(バーチャルリアリティ)、霧の投影、ホログラフィー、もしくは「逆三角形」と呼ばれるホログラフィック装置と異なり、同技術はライトフィールド再構成の原理を通じ、一枚の特製のガラスを利用する。これにより分散した光を再び集め、空中に3次元の実像を形成する。
このガラスにはどのような特別な点があるのだろうか。韓氏は取材に対し、「大きく見るとガラスだが、細かく見るとマイクロレンズアレイだ。このガラスは等価負屈折率平面レンズと呼ばれる、一種のディスプレイ新型材料だ」と話した。
韓氏は「拡大鏡でこのガラスを見ると、中に結晶格子とラスターが詰まっていることが分かる。このマイクロレンズアレイは光に負の屈折と呼ばれる現象を起こし、分散した光を集め直すことで、別の側に肉眼で見られる実物大の実像を作る。さらに体感装置の応用により、人と実像の直接的な交流を実現できる」と説明した。
「このガラスを設計するのは難しくないが、作るのが難しい。これまでこのガラスの加工・製造技術は日本の1社しか確立されていない。さらにこの会社は、日本でしか作れないとPRしていた」
韓氏は年初、製品の量産化を前にして、競合他社から特許権侵害を訴えられた。国家知的所有権局の公開審理後、彼らは自社の中核知的財産権の有効性を守り、人々に自分たちの存在を証明した。
韓氏は自信を込めて「当社は世界で2番目、国内で唯一これを生産する企業であり、コア技術を持っている」と話した。
新しい視覚方法である同技術の応用シーンについては、さまざまな想像が可能だ。うち最も直接的なのは、広告と展示だ。画像を幅広い展示空間に浮かび上がらせれば、現場の人は手を使いそれと交流でき、人目を引くのに十分な視覚効果がある。
情報安全分野に応用すれば、「空中パスワードキー」を生成できる。盗み見を防止でき、指紋も残らない。
またこの技術は車載メーター、家電タッチパネル、駅の看板、及び教育、医療、ビジネス会議など「ディスプレイ」を必要とするすべての分野で応用できる。
未来のIoE時代において、ディスプレイはあまねく存在することになる。韓氏は「技術のさらなる発展と世代交代により、携帯電話や腕時計などに使えるようになる。SF映画のシーンをそのまま現実化させることができる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年7月26日