▽市場の力が相場の変動を後押し
人民元相場の具体的な動きはどうだろうか。
短期的には、8月9日に人民銀が同報告を発表し、19年になると、人民元相場は市場の需給を基礎とし、バスケット通貨の変化を参考にし、下落もあれば上昇もあり、双方向に変動し、合理的でバランスの取れた水準でほぼ安定を保ったとの見方を示した。
上半期の人民元の対米ドルレート基準値は最高値が1ドルあたり6.6850元、最安値が同6.8994円で、118取引日の中で上昇した日が53日、低下した日が64日、据え置きが1日だった。単日の上昇幅は最大で0.70%(469ポイント)、同低下幅は最大で0.61%(414ポイント)だった。
同報告は、8月になると、国際経済金融情勢、一国主義的・保護貿易主義的措置、対中国追加関税の予測などの影響を受けて、人民元が米ドルに対して安くなり、ついに1ドル7元台に突入した。これは外貨の需給と国際為替市場の変動の反映であり、市場の力が後押しし決定したものだと指摘した。
長期的には、国際決済銀行(BIS)が発表したデータによれば、05年初めから19年6月にかけて、人民元の名目実効為替レートは38%上昇し、実質実効為替レートは47%上昇し、主要20ヶ国・地域(G20)のエコノミーの中で最も勢いのある通貨になり、世界的にみても上昇幅の大きい通貨になった。
張副所長は、「短期的にみれば、相場が変動するのは普通のことだ。目下、多くの国が金利を引き下げ、国際環境は不確定性に直面し、これに中国国内経済が下ぶれ圧力に直面していることが加わった。相場の変動は市場の状況に合わせて調整が行われていることを反映するものだ。また長期的にみれば、人民元の長期的で安定した値上がり傾向は変わらず、これは中国経済が世界の中で引き続き相対的に高い成長率を維持していることと一致する」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年8月12日