単一光子源は光量子情報技術の中核資源だ。中国科学技術大学の潘建偉氏、陸朝陽氏、霍永恒氏などが中山大学の余思遠氏のチーム、国家ナノ科学センターの戴慶氏のチーム及びドイツ、デンマークの学者が協力し、楕円微視空洞カップリングにより確定性偏波単一光子を実現する理論を世界で初めて打ち出した。またナローバンド・ブロードバンドの2種類の微視空洞で確定性偏波、高純度、高同一性、高効率の単一光子源の実験を成功裏に実現した。光量子計算、特に従来の計算能力を超える「量子覇権」の実現に向け、確かな科学の基礎を固めた。論文はこのほど、世界的に権威あるオンラインジャーナル「Nature Phonics」に掲載されている。論文査読者はこの研究が、「長期的に存在していた問題を解消した」と評価した。人民日報が伝えた。
完璧な単一光子源は同時に、確定性偏波、高純度、高同一性、高効率といった厳しい条件を満たさなければならない。中国科学技術大学の研究チームは2013年より、高性能単一光子源の発展をけん引してきた。だが完璧な単一光子源を実現するためには、さらに2つの未解決の難問がある。まず、量子ドットが2種類の偏波する光子をランダムで発射すること、次に共振を引き起こすためバックグラウンドレーザーを取り除くことだ。
この2つのカギとなる問題を解消するためには、理論と実験の同時革新が必要だ。理論面において、中国科学技術大学の研究チームは楕円微視空洞により対称性を打破するプランを打ち出した。空胴モードを2つの非縮退の垂直偏波モデルに分裂させ、これにより選択的に単一偏波の単一光子を強化する。実験面において、研究チームは垂直偏波無損失消光技術を発展させ、上述した2つの難問を同時に解消した。研究チームはこれを踏まえた上で、ナローバンド微小カラムとブロードバンドターゲット微視空洞の中で、確定性偏波、高純度、高同一性、高効率の条件を同時に満たす単一光子源の作成を実験した。単一光子源総合性能の国際記録を2度更新し、「量子覇権」の目標の実現に向け重要な一歩を踏み出した。この成果は、中国が拡張可能量子情報技術面で、世界におけるリードをさらに広げたことを意味する。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年8月15日