愚かになるどころかメリット尽くし
「恋愛脳」は確かに存在するが、恋愛は人を愚かにしないのだろうか?
その点について傅准教授は、「確かに脳の一部の活動が弱まり、恋愛相手に対する判断力が低下する可能性はある。だが、現時点では、事物や他人に対する判断力まで低下する根拠となるものはない。実のところ、恋愛中における人間の知力の低下や損なわれることを証明する科学的根拠は存在しない。それどころか恋愛が個人の創造性や思想を促進させたという例は数多い。例えば、著名な物理学者のシュレーディンガーは家庭と科学研究上の悩みから逃避するため、ある女性とアルプスのリゾート地で休暇を共にした。その恋愛は彼に無限ともいえるほどのインスピレーションを与え、その後1年間で彼の知恵はまさに尽きることない泉の如く溢れ出て、『シュレーディンガー方程式』という後に彼の名を冠することになる方程式を導きだすこととなった」としている。
これに限らず、恋愛はより多くのプラス効果をもたらす。例えば、ある研究から恋愛は人の痛みに対する感覚を弱める働きがあることが判明している。また恋愛は体内にあるオキシトシンを増やす。オキシトシンは他人への信頼度を高める働きがあり、これは恋愛がより多くの協力行動を誘発し、より公平な意思決定を行わせ、意思決定を行う対象に対する評価などに変化を与える効果があることを示している。さらに傅准教授は、「脳画像に対する研究の結果、恋愛は扁桃体の活動を抑制し、それによって警戒心を低下させる。その結果、恋愛中の人は恐れるものがなくなり、それまで恐れていたり、嫌悪していた事物をも受け入れられるようになることが明らかになっている。映画やテレビ作品の中で、愛情とヒーローという2つのテーマが一緒になっているのもこれと無関係ではない」としている。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年11月15日