「長征5号遙3」ロケットが発射成功 月・火星探査の重要な基礎に (2)

人民網日本語版 2019年12月30日15:09

月のサンプルを採取して帰還や火星探査などの重大任務を背負う

キャリアロケットの能力が高ければ、中国の宇宙事業の舞台もそれだけ広がる。「長征5号」は月面でサンプルを採取して帰還することや火星を探査することなど、多くの重大宇宙プロジェクトの任務をその肩に背負う。また異なる地球の軌道への大型ペーロードやその他のディープスペース探査任務へのペーロードの打ち上げにも利用することが可能だ。

「長征5号」は再び月に向かう。中国は20年に「長征5号」を利用して「嫦娥5号」を打ち上げる予定で、月面で無人探査機によりサンプルを採取して帰還し、月探査の「周回」「着陸」「帰還」の3ステップを達成することが目標だ。「嫦娥5号」は任務達成のためには「嫦娥5号」の探査装置を地球-月遷移軌道に直接送り込むことが必要で、そのためには積載量が大きい「長征5号」が必要になる。

「長征5号」は初の火星探査に出かける。中国は現在、初の火星探査プロジェクトの開発作業を進めている。計画によれば、20年に「長征5号」を利用して火星探査機を打ち上げ、1回の打ち上げで火星を周回、火星に着陸、火星をパトロール探査といった複数の任務を達成する予定だ。「長征5号」のチーフエンジニアの李東氏は、「『長征5号』の開発成功により、中国のディープスペース進出の能力が大幅に高まり、ディープスペース探査の能力・水準の向上にもつながり、ディープスペース探査分野での飛躍を達成することになる」と説明した。

また「長征5号」は中国の次世代キャリアロケットシリーズの型式の構築に向けて着実な技術的基礎を突き固めた。20年には、「長征5号B」など多くの型式の次世代キャリアロケットが次々に初打ち上げを迎える見込みだ。

ロケットが「運ぶ」のは何?

「長征5号遙3」が打ち上げられ、どのような衛星を搭載しているのかと好奇心をかき立てられた人は多い。

専門家の説明によれば、「長征5号遙3」が乗せた「お客様」は実験衛星の「実践20号」だ。「東方紅5号衛星プラットフォーム」をベースに開発された新しい技術を擁する実証実験衛星で、重量は8トンに達し、中国がこれまでに開発した対地同期軌道へ打ち上げられた衛星としては、重量が最も重く、技術の実質的な価値も最も大きな衛星だ。

「実践20号」には多くの画期的な技術が搭載されている。たとえば中国で面積が最も大きく、展開時の翼長が最も長く、展開方法が最も複雑な太陽電池パネルを搭載しており、低速で転回し、常に太陽の方向を向くようになっている。また中国内で効率が最も高い電源制御装置を搭載し、太陽電池パネルが提供する極めて強い電流が「言うことをよく聞いて」衛星の隅々まで行き渡るようにし、衛星が問題なく稼働するよう維持している。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年12月30日

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