◎中米農業協力の拡大は中国の消費ニーズを満たし、農業の供給側構造改革を推進し、農業の発展の質を向上させる上でプラスになる
合意文書に基づき、中米は双方の農業分野での協力を強化・促進する。中国人民大学国家発展・戦略研究院、経済学院の程大為教授は、「全体としてみると、農業に関する合意は平等・互恵であり、中国の農家と農業の発展において実質的な利益を得るものとなる」との見方を示した。
合意文書は、中国が世界貿易機関(WTO)加盟時の約束に基づき、小麦、トウモロコシ、米の関税割当管理規則を整備することを打ち出した。程氏は、「割当管理に基づけば、中国は1年で総量2千万トン以上の穀物を輸入することになるが、通年の穀物消費量に占める割合は3.4%に過ぎない。割当をすべて使い切ったとしても、中国国内市場への影響は軽微だ」と述べた。
経済貿易協議が行われている間に、米国は最終的なルールを発表し、中国のナマズ監督管理システムは米国のシステムと同等の効力を有すると認め、中国産調理済み鶏肉製品の対米輸出を許可した。合意文書の規定では、米国は中国産の香梨、柑橘類、ナツメなどの農産品の対米輸出を許可する。米国が行ったこれらの約束は中国の農業企業と農家により多くの市場チャンスをもたらすことになる。
合意文書に基づき、中国は米国産の乳製品、牛肉、大豆、水産品、果物、飼料、ペットフードなどの農産品の輸入を増やし、今後2年間の平均輸入規模は400億ドル(1ドルは約109.9円)に達する見込みだ。程氏は、「見たところ、中米双方の農業は相互補完性が高く、生まれながらの農業協力パートナーだといえる。米国からの農産品輸入を拡大することは中国の消費ニーズを満たし、農業の供給側構造改革を推進し、農業の発展の質を向上させる上でプラスになる」と述べた。
◎金融サービスの開放は双方どちらにとっても好材料であり、関連の約束はここ数年の中国が自主的に秩序をもって推進してきた金融業の開放と一致する
合意文書に基づき、中米双方は銀行、証券、保険、電子決済などの分野で公平な、効果的な、非差別的な市場参入待遇を提供する。これについて、中国社会科学院世界経済・政治研究所国際貿易研究室の東艶室長は、「金融業の対外開放は中国の長年にわたる規定方針だ。ここ数年、中国は新ラウンドの金融業の開放を自主的に推進し、銀行、証券、保険などの分野への外資の市場参入を大幅に緩和してきた。こうした措置は合意文書における金融サービスに関する内容を大幅にかつ基本的にカバーするとともに、あらゆる国の金融機関を平等に扱うものだ」と述べた。