こうした3つの重大な挑戦に対し、中国は次の3つの積極的な対応を打ち出すべきだ。
第1に、世界の感染症対策をめぐる協力を積極的に推進する。中国国内の対策をしっかり続けると同時に、各国の対策を、とりわけ日本、韓国、イラン、イタリアなどの対策を支援し、WHOを支持し、一日も早い感染症の撲滅を目指す。
第2に、中国国内経済の回復を着実に進めるよう努力する。中国国内に軸足を置き、経済の力強い回復を実現する。国際金融危機により世界経済は0.6%減少とマイナス成長になったが、中国のGDPは9.2%増加し、前年比0.4%の低下にとどまった。中国の輸出の対GDP比は09年は30.9%だったが、19年は17.4%になった。中国経済の主要成長源は国内にある。同時に、各国との供給チェーンの強化をめぐる協力に努力しなければならない。09年に比べて、世界の供給チェーンにおける中国の位置づけは大幅に上昇した。19年の中国製造業の付加価値額は世界の30.5%を占め、マスク生産量は中国以外の国を合わせた分を上回る。中国はアジア、欧州、北米の3大ブロックで構築された供給チェーンのマトリクス(基盤)の中で重要な位置を占める。中国で感染症が深刻な時期には、米アップル社は中国にある店舗の多くを休業にした。今は中国店舗はすべて営業を再開し、中国以外にある店舗が休業になっている。中国は多くの国や多国籍企業にとって供給チェーンと経済運営を維持するための重要なカギだ。よって、中国経済の急速な回復上昇は世界各国の経済の回復と供給チェーンの回復にプラスだといえる。逆もまたしかりだ。
第3に、中国のドアをより大きく開け、各国の企業が中国で投資を行うことを積極的に歓迎し支援する。中国経済は世界の懸念から世界の希望へと急速に変わりつつあり、マグネット効果がさらに高まった。同時に、日本、韓国、ASEAN、EUとの貿易・投資協力にも重点的に取り組んでいる。20年は中日韓自由貿易協定(FTA)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が決定的な成功を収める年になり、中国・EU投資協定が重大な進展を遂げる年になり、「一帯一路」協力がさらに大きな成果を上げる年になるはずだ。
感染症が猛威を振るい、世界経済には暗雲が垂れ込めており、中国経済は緩やかに前進を続け、逆巻く大波の中、これからも20年の世界経済成長の最大のエンジンであり続けるだろう。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年3月16日