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最近、海外の一部の政治屋やメディアが、外資系企業が中国から大規模に撤退するとか、外部資本が中国との関係を断つ動きを速めていると言って大騒ぎしている。
こうした論調やうわさの類いは、たちまち注目を集めた。しかしこれは事実なのか。現在の中国の外資導入状況はどうなのか。外資は入ってきたのか、それとも出ていったのか。それを判断するには個別の事例だけを見ても無意味で、データを踏まえて考えなければならない。
上海のデータ
上海市では、第1四半期(1-3月)の実行ベース外資導入額は46億6900万ドル(1ドルは約106.9円)に上り、前年同期比4.5%増加した。このうち3月は18億7200万ドルで同20.8%増加した。
1-3月に新たに調印された外資プロジェクトは129件に上り、投資総額は239億ドルに達した。
また同期に新たに設立された多国籍企業の地域本社は10ヶ所、外資系研究開発センターは5ヶ所だった。
蘇州のデータ
江蘇省蘇州市では、同期の実行ベース外資導入額が42億3千万ドルに上り、同増加率は163.3%にも達して、過去最高を更新した。
新規外資系プロジェクトは236件で同9.3%増加し、外資の新規登録額は54億9千万ドルで同68.3%増加した。
厦門(アモイ)のデータ
福建省厦門市の同期の実行ベース外資導入額は59億6700万元に上り、同30.1%増加し、同省全体に占める割合は53.0%で前年同期を6.6ポイント上回った。
この3ヶ所はいずれも経済の発達した地域で、元々外資による投資が活発だという意見もある。では次は全国の状況を見てみよう。
全国の状況
中国3月の実行ベース外資導入額は817億8千万元に上り、新型コロナウイルスの影響を受けて、前年同期に比べて減少したとはいえ、減少率は2月に比べて11.5ポイント縮小した。
注目されるのは、ハイテクサービス業が外資導入の新たな注目点になったことだ。1-3月の同産業の実行ベース外資導入額は同15.5%増加した。
地方でも全国でも、感染症の影響がまだ完全に消えたわけではないが、外資の動きは引き続き活発で、撤退の兆しは見られない。
外資は撤退しないどころか、引き続き増加している。スターバックスは米国以外で最大の生産型投資となるスターバックス中国法人の「コーヒーイノベーション産業パーク」を江蘇省昆山市に建設することになり、米テスラの上海ギガファクトリーも早々に操業を再開した。
最も敏感に反応する資本市場でさえ、このような力強い答えを出している。
4月以降、北京市と上海市の資金がA株市場に大量に流れ込み、2月と3月の流出傾向を逆転させた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年5月12日