「ケチ」が自慢?イマドキの若者が「ケチぶり」を競うのはなぜ? (2)

人民網日本語版 2020年06月22日09:28

中国社会科学院社会発展戦略研究院の戈艶霞研究員は、「新型肺炎の影響により、若者の中には何ヶ月も続けて収入がゼロという人もおり、当面の暮らしの質が下がっただけでなく、未来の暮らしへの予想も相対的に低下した」と述べた。

インターネットをみると、「ケチ男子連合会」とか「ケチ女子連合会」などの各種「ケチグループ」が立ち上がり、メンバーはお金を節約する経済面での実用的なコツなどのコンテンツを数多く共有する。

95後の劉■(王へんに諭のつくり)さんは、こうしたグループを通じてたくさんの収穫があったという。劉さんはごく普通の家庭で育ち、大学を卒業すると広州市の食品業界に就職し、給与は一般的な水準だ。最近はスーパーのタイムセールや在庫一掃に狙いを定めたり、ポイント還元ショッピングソフトを利用したり、毎日アプリにアクセスしてポイントをためたりしている。さらにグループで「家計簿」を更新し、毎日の出費を細大漏らさず記録する。「ある期間にしょっちゅう飲み物を買っていたとしたら、家計簿をつけることで飲み物にどれくらいたくさんお金を使っていたかがわかり、次に飲みたいと思った時は、自分を抑えることができる」という。

「安さが自分の買い物の原則ではない。原則は必要かどうかだ」。自身がモットーとする消費観について徐々にこのような結論に至った劉さんは、消費主義隆盛の背後にあるロジックも看破している。多くの業者はあの手この手で消費者を引きつけようとし、「生涯で必ず持つべきもの」とか「必需品」などといって人々の視線を引きつけ、「これは自分にとって必要なものだ」と錯覚させているという。

ケチ仲間達は実に多彩な節約のコツを導き出している。「買い物は企業の調達と一緒で、コストの分析と競合製品の比較検討が必要。以前、ホテルでとてもおいしそうな月餅を売っているのを見た時には、ホテルのサイトからOEM(他社ブランド製造)工場の淘宝(タオバオ)店舗に飛んで、そこで月餅を買った」。「想像力で消費意欲を抑えられる。たとえばミルクティーやおやつは無駄遣いだし太ると自分に言い聞かせることで、消費意欲を抑えられる」。「淘宝で服や靴を見たことなんかない。見るのは不動産競売チャンネルで、中には20数万元の頭金があればローンが利用できる物件もあり、他のつまらないモノを買わないよう自分を励ますことができる」など、いろいろなコツがある。

戈さんは、「商品を購入するという行為には消費者の物質的なニーズと精神的なニーズが反映されている。若者の消費観は『消費主義』から『実用主義』へと転換しつつあり、若者の消費行為における精神的ニーズは低下した。若者の精神的ニーズは今ではかつてのように消費に強く依拠して得られるものではなくなり、これは若者の消費観が理性的な消費観に戻る上である程度プラスになる。もちろん、こうした転換はぜいたく品などのニーズも減少させ、消費市場の供給側にとっては新たな試練と変化をもたらす可能性がある」と分析した。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年6月22日

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