社会のモデル転換と技術の進歩は、現代の若者たちの職業選択意識の変化を促している。彼らは足下を固め、「自立したい」と考えると同時に、自分の好きなことや夢を追い求める人たちでもある。若者は社会という大海にこぎ出し、勇気をもって新しい職業に飛び込んでいく。
95後(1995年から1999年生まれ)の余毅涵さんは新しい動画の撮影をスタートした。大学で広告を専攻した彼は昨年卒業すると、決まり切ったコースに乗ってサラリーマンにはならず、自分の趣味を仕事にする道を選び、化粧動画を配信するプロの動画配信者になった。
ここ数年、余さんのように新しい職業に従事する若者は少なくない。社会と科学技術の発展ペースがますます速くなり、これまでにはなかった新しい職業がたくさん登場した。
「2019年生活サービス産業新職者報告」によると、新しい職業に従事する人のうち、90後(1990年代生まれ)が半数を占め、95後が22%を超える。大学を卒業したばかり、または卒業してからそれほどたたないという人が多く、新しい職業は職業を選ぶ段階にある若者たちにより多様な選択肢を提供している。
中国社会科学院大学经济学院の黄敬宝教授は、「若者が新しい職業を好むのには経済的側面と経済以外の側面と2つの原因がある。市場という視点でみると、新しい職業はこれまでにない新しい消費ニーズやより高度化した消費ニーズを示すものであり、より多くの発展のポテンシャルとより明るい発展の見通しを持つ。新しい職業は若者のもつイノベーションの精神や冒険の精神という特徴に合致するため、若者層に歓迎されている」との見方を示した。
しかし一連の新しい職業の従事者は「成長の苦悩」にも直面する。たとえば業界の注目分野がころころ変化すること、キャリア発展の見通しが不安定であること、社会的認知度が低いことなどがある。
大学で機械工学を専攻し、現在はボードゲーム館を経営する趙文鵬さんは、「自分の趣味と業界の注目点が重なり合って自然と今のような状況になった。2015年から起業の準備を始め、資金や予算が少ない中で、少しずつ業務の範囲を狭めていって、最終的にボードゲームにチャンスがあると考えるようになった」と自分のたどってきた道を振り返った。
ボードゲームの業界に入って6年近くになる趙さんは、「業界の先行きにぼんやりした不安を感じる。この分野はすでに飽和状態で、市場の競争が激しく、収益率が相対的に低い」と言う。現在はボードゲーム市場をよりどころにソーシャル業界に進出しようと、次の起業の準備を進めている。
新しい職業に対し、親世代の中には「色眼鏡」で見て、「まともな仕事じゃない」、「不安定な仕事」と考える人もいる。余さんの両親もいまだに息子の選んだ職業を認めてはいない。余さんは、「両親は僕の仕事がどんなものか、どうやって利益を生み出すのか、あまりよくわかっていない」と話した。
しかしこうした問題が新しい職業へ飛び込んでみようとする若者の熱意を冷ますことはない。調査によると、回答した若者2千人のうち、96.1%が、「チャンスがあれば、新しい職業に従事してみたい」と答え、62.5%が、「新しい職業は労働者が個人としての価値をより多くの角度から高めるのを後押しすることができるものだ」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年2月2日