中国人民銀行(中央銀行)は16日に公式サイトで、「中国デジタル人民元の研究開発進展白書」を発表した。それによると、社会各界がデジタル人民元の国境を越えた利用の実現、人民元の国際化推進などに注目しているという。「北京青年報」が伝えた。
国境を越えた決済は、通貨主権、外貨管理政策、為替制度の設定、監督管理のコンプライアンスの要求などさまざまで複雑な問題に関わることであり、国際社会が共同で力を合わせて解決を目指さなければならない難しい問題でもある。通貨の国際化はごく自然な市場の選択のプロセスであり、国際通貨の地位は根本的に経済のファンダメンタルズ及び通貨・金融市場の深さ、効率、開放性などの要因によって決まる。
デジタル人民元には国境を越えて利用するための技術的条件が備わるが、現在は主に中国国内の小売決済のニーズに対応している。人民銀行は今後、主要20ヶ国・地域(G20)などの国際機関の越境決済の改善で果たすイニシアティブに積極的に呼応して、人民銀行のデジタル通貨の国境を越えた分野への適合性を検討する。また中国国内のテスト状況と国際社会のニーズを踏まえ、双方の通貨主権と法律に基づくコンプライアンスを十分に尊重するとの前提の下で、各国の監督管理とコンプライアンスの要求に応えるため、越境決済のテストを探求するとともに、「損害ゼロ」、「コンプライアンス」、「相互接続」の3つの要求を踏まえ、関係通貨当局及び中国人民銀行と共に法定のデジタル通貨の為替制度設定と監督管理の協力メカニズムを構築し、2層からなる運営、リスクに基づいた管理の要求とモジュール化した設計の原則を堅持するとしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年7月19日