先ごろ閉幕した2021中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)で、第2世代新型コロナウイルスワクチンが紹介された。報道によると、国薬集団(シノファーム)中国生物が研究開発した次世代新型コロナワクチンには、変異株を対象とした不活化ワクチンのほか、広域スペクトルの組換えタンパクワクチン、自主研究開発したmRNAワクチンがある。科技日報が伝えた。
◆第1世代のワクチンはまだ有効か?
科学研究難関攻略チームワクチン研究開発特別班活動チーム長で、国家衛生健康委員会科学技術発展センター長の鄭忠偉氏は、ワクチンの有効性については実データに基づく世界の研究結果によるべきだとし、「中国の新型コロナ不活化ワクチンはすでに世界的に大規模な接種が行われており、国内でもすでに20億回接種され、多くの実データに基づく世界の研究データが存在する。これらの研究結果によると、中国の新型コロナワクチンは国内にせよ国外にせよ、感染予防に一定の効果を備えている。感染後の他者への感染を抑える点では目に見えた効果があり、重症化と死亡の予防に対しても顕著な効果がある」と述べた。
そして鄭氏は、「ウイルスの変異株に関しても同様で、特にデルタ株が広く流行した場合でも同じことが言える」と強調した。
北京市や広州市の前回の感染対策においても、ワクチンの接種効果が広く確認されている。鍾南山院士のチームが広東省の感染状況(主にデルタ株)を対象に行なった研究によると、ワクチン2回接種後の中等症への保護効果は70%に、重症への保護効果は100%にのぼっていた。
◆第2世代ワクチンが必要な理由は?
鄭氏は、「新型コロナウイルスの変異は現在、相対的に見るとやや安定しており、根本的な変異は生じていないが、依然として警戒が必要だ。備えがあれば、将来的に万が一ウイルスに深刻な変異が生じ、現在生産されているワクチンの予防効果を完全に逃れられるようになったとしても、新型ワクチンを速やかに研究開発・大量生産できる。備えあれば憂いなしだ」と述べた。
米国疾病予防管理センター(CDC)がこのほど発表した最新の研究によると、デルタ株が中心になるにつれ、米国の新型コロナワクチンの有効性が従来の91%から66%まで低下している。
この実データに基づく世界の研究結果を受け、広域スペクトルかつ多価の第2世代ワクチンの研究開発が喫緊の課題になっている。
◆第2世代ワクチンの進捗は?
鄭氏によると、まず、中国のワクチン研究開発機関はすでにガンマ株とデルタ株の不活化ワクチンの研究を展開しており、現時点で臨床前の研究がすでに完了し、一部機関は薬品審査評価センターに臨床試験の申請資料を提出しているという。また、各変異株を対象とする広域スペクトルもしくは多価の組換えタンパクワクチンの研究を展開しており、一部機関はすでに薬品審査評価センターに臨床試験の申請資料を提出している。さらに、ベータ株とデルタ株を対象とするアデノウイルスベクターワクチン及び核酸ワクチンの研究開発を展開しており、一部機関が動物有効性及び安全性の実験を完了し、臨床試験の申請の準備を進めている。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年9月9日