幹細胞分野の国際的に権威ある学術誌「Cell Stem Cell」が24日、中国の学者が5年がかりで行った研究成果を掲載した。中国科学院動物研究所の劉光慧研究チーム、曲静研究チームが中国科学院北京ゲノム研究所の張維綺研究チームと協力し、21万個の単細胞のシーケンシングと解析を行い、若い血液中に一部の「老化防止」の鍵となる因子を発見した。
「ネイチャー」などの国際的な学術誌は2000年以降、若いマウスの血液で老いたマウスの一部の組織・器官の若返りの研究を相次いで掲載し、熱い議論を呼んでいる。これらの若い血液による老化防止の研究は、「若い因子」と「若返り」現象をシステム・メカニズムのレベルで証明しなかった。
今回の研究では、研究者は3種の「異体共生」マウスを作った。論文の共同筆頭著者で、首都医科大学宣武病院研究員の王思氏は、「異なる2匹のマウスの手術を行い、その体を一つにつなげ、若若・若老・老老という3つの組み合わせを形成した。飼育5週間後、若老の組み合わせがすでに相互の血液の影響を受けていた。その体から7種の組織・器官の細胞を分離し、別の2組と比較対照し、深く解析した」と説明した。
論文のスクリーンショット
若い細胞と老いた細胞は「異体共生」の中で互いに行き来する。研究チームは老いたマウスの若返りの原因をより厳密に解析するためジェノタイピングを行い、細胞の出処を一目瞭然にした。
単一の細胞の解析、単一の分子水準の「疫学調査」、因子効果の動物検証……研究チームは5年を費やし、21万個の高品質細胞を一つずつ分析した上、細胞を100ほどに分類した。研究の最も直接的な収穫は、初めて2つの特別な若さ促進因子が見つかったことだ。張氏は、「これは見つかった因子を使い造血幹細胞を処理することで、造血幹細胞の若返りを助け、造血システムさらには体全体の老化を遅延できるかもしれないということだ」と説明した。
この研究で得られたデータ資源は、中国の学者が提案した「エイジングアトラス」に収められる。データによると、「エイジングアトラス」の構築から2年間で、76カ国の研究者から14万回のアクセスがあった。米国、カナダ、英国などのエイジング関連データも続々と収められている。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年5月27日