「輸入車立入禁止」の日本 国産の軽が強いが普及遅れるEV

人民網日本語版 2022年07月05日15:14

日本の自動車市場では、国内ブランドが90%以上のシェアを占めており、このため「輸入車の立ち入り禁止区域」とも呼ばれている。しかし新エネルギー自動車の時代の訪れと共に、閉じられていた日本市場でも新たなチャンスが生まれている。

輸入車の「立ち入り禁止区域」

中国自動車市場で大型車が好まれるのと異なり、日本では軽自動車がよく売れている。日本の消費者が車を買うときに特に重視するのは使用時の経済性で、先端の機能よりも安全装備の充実した車を選ぶ傾向がある。IHSマークイットの川野義昭マネージャー(ライトビークル販売予測)は取材に、「自動車市場全体の中で、軽自動車が市場シェアの約37%を占めており、1万-1万5千ドル(1ドルは約136.0円)の価格帯の軽が最も人気がある」と述べた。

日本では輸入車のシェアが10%に満たず、それも主にフォルクスワーゲン(VW)、メルセデス・ベンツグループド、BMWなどドイツ系によって占められている。米国ブランドやその他の欧州ブランドは日本市場でほぼ存在感がない。

川野氏は、「日本は国内ブランドがたくさんあって、競争が非常に激しく、いくつもの伝統ある海外ブランドが数年前に日本市場から撤退している。海外ブランドが日本市場に進出できない主な原因は、国内ブランドと明らかな違いがないからだ。日本では高級ブランド車以外の車の消費者は、燃費、環境性能、製品の品質、購入後のアフターサービスについて非常に厳しい要求を課している。輸入ブランドに対しては、国内製品と違うものを求めているが、非高級輸入車ブランドが国内ブランドと明確な違いを打ち出すことは難しい。また日本は輸入車に関税を課しておらず、このため輸入関税は問題の原因ではない」と述べた。

普及が遅れるEV

新エネ車時代の訪れが輸入車ブランドにチャンスをもたらした。日本市場から撤退して12年になる韓国のヒュンダイ自動車は、バッテリー電気自動車(BEV)と燃料電池自動車(FCV)をひっさげて、日本市場への再進出を狙っている。今年5月には日本でBEV「IOMIQ 5(アイオニック ファイブ)」とFCV「NEXO(ネッソ)」の予約を開始し、7月から引き渡しする予定だ。関連の報告書によれば、日本の自動車市場の構造が短期間で大幅に変化することはなく、海外メーカーは経済性を主なマーケティング戦略として、EV市場を重点的に開拓するべきだという。

川野氏は、「輸入ブランドは日本の自動車市場にチャンスがあることを見て取った。(ドイツの)オペルも再進出を試みているが、新型コロナウイルス感染症とサプライチェーンの問題で、再進出の時期は少し遅くなりそうだ。中国の一汽紅旗はすでに日本に進出し、最近は更に多くの製品を投入しようとしている。スウェーデンのポールスターもこれから進出する予定で、中国の比迪亜(BYD)はすでに商用大型バスの分野に進出し、乗車市場にもまもなく進出しようとしており、タクシーでの大量採用を通じて日本市場をこじ開ける可能性がある。とあるブランドが海外から日本車と異なる、新型または先端テクノロジーのウェイトが高い上、環境保護にも配慮した製品を輸入しようと考えたとしたら、これからはチャンスがあるだろう」と述べた。日本の自動車輸入会社の販売ディレクターの范志遠氏は、「新エネ車は中国の自動車メーカーが日本市場に進出する唯一のチャンスだ。トヨタをはじめとする日本の大手メーカーも密かにEVの研究を進めており、将来はEVでも上位に立つことが予想される」との見方を示した。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年7月5日 

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