各方面の関心を集める並行輸入車について、ついに結論が出た。上海市商務委員会は7日、「中国(上海)自由貿易試験区における並行輸入車のテスト事業の展開に関する通知」を通達し、同試験区での並行輸入車のテスト事業を正式にスタートさせた。これにより長らく「グレーゾーン」に置かれてきた並行輸入車の存在が正式に認められたことになる。「京華時報」が伝えた。
▽政策
ディーラーはアフターサービス提供
同通知の通達により、並行輸入車の合法的な販売に方向性が示され、同試験区で登録された子会社は、商務部門の許可を受ければ販売が可能になった。テスト事業を申請中の大手自動車販売グループの魏銘副総裁は、「資格を取得した第1弾のディーラーは20社前後に上る」と話す。また業界関係者は、「春節(旧正月、今年は2月19日)前に並行輸入車の販売をスタートできるはず」と話す。
同通知は並行輸入車のアフターサービスについて、テスト事業実施企業とこれら企業が同試験区で登録した自動車販売子会社は並行輸入車の品質を保証すべき責任主体となり、法律に基づいて製品の回収(リコール)、品質保証、アフターサービス、三包サービス、燃料の平均消費量の計算といった義務を履行しなければならないとする。また中古車や違法な改造車の輸入は行ってはならず、オリジナルメーカーが許可したプランを採用して品質の欠陥に責任をもって応対しなければならないとする。
▽解説
価格は安いが劣勢
中国では輸入車の価格が非常に高いことが長らく問題とされてきた。これまでよく言われてきたのは、並行輸入車は正規のルートで販売される車より20%ほど安いということだったが、過去1年間に中国の自動車市場には大きな変化が生じ、かつては価格つり上げに応じなければ買えなかったような車種も、今ではかなりの割引が行われている。BMWの「X5」の場合、正規ルート車の標準価格は92万元(1元は約19.2円)、並行輸入車は79万元で買うことができ、差は10%ほどしかない。