新型コロナウイルス感染症は現在も世界で蔓延している。オミクロンの変異株であるBA.4系統とBA.5系統が世界で主流になりつつある。中国の一部地域でこのほど散発的に感染症が発生している。感染者のウイルスゲノム解析により、海外起源の変異株BA.4とBA.5が確認された。BA.4とBA.5の感染力と病原性はどの程度だろうか。既存の新型コロナウイルスワクチンは効果的だろうか。中国の現在の感染対策で対応できるだろうか。中国疾病予防管理センターウイルス学首席専門家の董小平氏を取材した。人民日報が伝えた。
董氏は、「従来の変異株と比べると、BA.4とBA.5は感染力が大幅に上がっている。潜伏期間が大幅に短くなったが、全体的に見て、オミクロン株のその他の系統と比べると、BA.4とBA.5の病原性の強弱に大きな変化はない。既存の研究データを見ると、その臨床的影響はほぼ同等だ」と説明した。
免疫から逃れる能力がやや上がっているが、BA.4とBA.5に本質的な変化は生じていない。そのため既存のワクチンは引き続き死亡予防、重症化予防、入院予防の効果を保っている。BA.4とBA.5の感染予防効果については、さらに多くのデータによって観察する必要がある。「そのためブースター接種を受けていない人は早急に接種を受けるべきだ」と董氏。
中国は「新型コロナウイルス感染症対策プラン(第9版)」の中で、新型コロナウイルスのモニタリングをさらに高い位置に上げた。董氏は、「中国の既存の感染対策はBA.4とBA.5に対して効果的だ。従来のウイルス性疾患の対策はいずれも感染者から始まるのに対して、新型コロナウイルス対策の最前線はすでに健常者となっている。PCR検査は非常に重要な措置だ。同プランは、レベル別の検査とPCRスクリーニングを打ち出しており、速やかに感染者を発見し感染拡大を防止できる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年7月19日