中国各地でも最近、猛暑が続き、クーラーがなくてはならない夏の必須アイテムとなっている。そんな中、山東省済南市は、市民に少しでも涼しく過ごしてもらおうと、冬場に暖房を提供する循環パイプを利用した「集中冷房」を提供する取り組みを行っている。
済南中心業務地区(CBD)をカバーしている「集中冷房」は昨年から運用が始まり、現時点で約21万平方メートルのユーザーをカバーしている。同プロジェクトでは、市政府が管理する循環パイプを活用しており、冬には「集中暖房」を、夏には「集中冷房」を提供している。あるホテルのスタッフは、「クーラーをつけなくても、室温は常に約26度で、とても快適」と話す。
ネットユーザーからは、「集中冷房ってエアコンよりコストがかかるってことはないのかな?」や「夏には集中冷房の料金を払う必要があるってこと?」といった疑問の声も寄せられている。
現時点で、済南CBDの「集中冷房」プロジェクトは主に、エリア内のオフィスビルやホテル、複合商業施設といった施設のユーザーを対象に提供されており、費用はメーターを設置して、使用した分だけ支払うスタイルが採用されており、使用しない場合、料金を支払う必要はない。「集中冷房」利用と自分でエアコン設備を設置した場合を比較すると、専用施設や冷却塔の設置面積やエアコンのための配線費用も節約できるほか、室外機も必要ない。実際の運営データを分析すると、高さ200メートル以上の超高層ビルの場合、集中冷房の設置と利用費用は、独自にエアコンシステムを設置するよりも安くなる。一方、一般的な商業建築物の場合、どちらのコストもあまり変わらないという。
その他、利用する場所には温度コントロールパネルが搭載されたファンコイルユニットが設置されているため、ユーザーが必要に応じて室内の温度を調整することができるようになっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年7月19日