中国では今年の雨期が始まってから、持続的な激しい雨と異常な高温が続き、気候の変化による自然災害がますます頻発している。これは中国の農業生産にどんな影響を与えるだろうか。農業農村部(省)は20日、この質問に対してコメントした。中国新聞社が伝えた。
同部種植業管理司の責任者・劉莉華氏は同日に国務院弁公室で行なわれた記者会見で、「中国は世界で気候変動の影響を強く受けるエリアであり、農業気候資源に変化が起きているところだ。たとえば中国の降水量は平均すると10年ごとに5.1ミリメートル増加し、降水量が北方で増加する傾向を見せている。西北地域では気温と湿度の上昇傾向が明らかで、冬小麦栽培の北限が北と西へ移動している。気候変動により中国の異常気象による災害も増加し、災害の異常性と予測不可能性が高まり、農業生産が直面する挑戦はますます大きくなっている」と述べた。
昨年秋に、中国の黄河、淮河、海河の流域で異常なまれに見る規模の洪水災害が発生し、9月と10月の降雨量は例年の1-4倍増え、1961年以降の同期の最多を記録し、中国の冬小麦の3分の1は種まきのシーズンが遅れた。政府の極めて力強い措置によって栽培面積は安定したため、今年の夏小麦は豊作だった。
劉氏は、「今年の穀物生産の状況を見ると、春の種まきシーズン以来、農業を取り巻く気象条件は全体としては有利だった。主な気象災害は華南地域の洪水と冠水、長江中下流域の一部エリアの長雨と日照不足、黄河・淮河・海河流域、西北地域、内蒙古(内モンゴル)自治区中西部の段階的干ばつ、また最近の東北地域と西北の一部地域の洪水と冠水だ。こうした災害はいずれも局地的に発生し、発生の過程も段階的で、影響のレベルは全体的に軽い。全体としてみれば、現在は秋の穀物生産の基礎が比較的しっかりしている」と述べた。
中国気象局の予報では、今年の増水期の中国の気候は全体としてあまりよくなく、異常気象が多くなりがちで、干ばつ・洪水が深刻だ。特に穀物生産の中心は秋季収穫の穀物になるので、中国にとって穀物の豊作実現の任務は引き続き極めて困難であるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年7月22日