大ヒット映画やドラマのロケ地巡りが若者の間で大人気に 文化・観光融合の成功例

人民網日本語版 2023年02月08日15:09

ドラマ「狂飆」のロケ地となった広東省江門市

大ヒットドラマ「狂飆(Punch Out)」が2月1日夜に最終回を迎えた。6日のあるデリバリープラットフォームの統計によると、ここ1週間、「狂飆」が火付け役となった広東省名物・豚足入りラーメンのデリバリー注文が前年同期比で1.2倍となった。豚足入りラーメンだけでなく、「狂飆」のロケ地となった広東省江門市も大人気となっており、観光客が押し寄せている。旅行サイト・同程旅行の統計によると、1月14日から30日にかけて、ロケ地となった江門市の景勝地の訪問者数は前月比で約5倍になった。

映画やドラマがきっかけである都市が大人気になるというのは、中国国内外において決して珍しいことではない。ドラマブームの波が旅行業界にまで影響を及ぼすのにつれて、人々の視野に入る旅行先もますます増え、「映画・ドラマ+旅行」というスタイルも人気となっている。

ドラマが大ヒットしたことに加えて、春節(旧正月、今年は1月22日)期間中の旅行ブームが重なり、ドラマで何度も登場した江門市の開平楼閣と村落は、特有の歴史文化や特色を誇るため、観光客の注目の的となった。広東省初の世界文化遺産でもある開平楼閣の文化観光エリアは、ここ半月の前売り入場券の販売件数が、ドラマの放送が始まる前の半月と比べて約5倍となった。

同程旅行の関係責任者は、「映画やドラマが観光客、特に若い観光客に与える影響力がますます大きくなっている。映画やドラマに登場する場所に行くというのが、今の若者の新しい旅行のスタイルとなっている。映画やドラマの登場人物と同じ旅行や生活を体験、体感し、旅行しながら気分転換し、生活のインスピレーションを得るという人が増えている」と分析する。

今年の春節に合わせて公開され大ヒットした映画「満江紅(Full River Red)」がきっかけで、河南省安陽市湯陰県にある岳飛廟は一躍大人気観光スポットとなり、多くの観光客が押し寄せるようになった。また、同程旅行の統計によると、1月30日の時点で、ドラマ「去有風的地方(Meet Yourself)」のロケ地となった雲南省大理白(ペー)族自治州大理市のホテルの予約件数は、前月比1.2倍となり、人気ランキングでは同省の昆明市に次ぐ2位となった。

北京第二外国語学院中国文化・旅游(観光)産業研究院の呉麗雲准教授は、「映画やドラマが旅行業界を盛り上げるというのは、文化と観光の融合の形式の一つ。映画やドラマの上映や放送は、消費者のロケ地に旅行に行きたいという思いを刺激する。それは、文化と観光の相互促進の代表的な例だ。また、映画やドラマはじっくりと時間をかけて、一つの場所の生活環境やグルメ、文化などを網羅的に紹介することになるため、大ヒット映画やドラマは、都市の魅力や経済効果を全面的に高めてくれる」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年2月8日

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