黒竜江省扎竜国家級自然保護区で今春初となるタンチョウのヒナ誕生

人民網日本語版 2023年04月17日10:44

黒竜江省扎竜(ジャロン)国家級自然保護区は世界最大の野生のタンチョウの繁殖・生息地であると同時に、人工繁殖したタンチョウの世界最大の野生復帰拠点でもある。同地では最近、放し飼いにされているタンチョウのカップルが産んだ卵が孵化し、今年の春になってから1羽目となるヒナが誕生した。中央テレビニュースが報じた。

飼育員の徐恵さんによると、「このヒナはまずタマゴの殻に小さな割れ目を作り、それから少なくとも24時間かけて殻から完全に外に出て来る」と説明する。足環の番号が「L158」の母鳥は毎年、最も早く卵を産み、ヒナも最も早くに孵化するという。

毎年3月になると、タンチョウは繁殖期に入り、メスのタンチョウは1度に2個の卵を産み、その後メスとオスが交代で抱卵し、その期間は約33日ほどに及ぶ。タンチョウは警戒心が非常に強く、特に繁殖期になるとさらに強くなるため、人が近づくのは難しくなる。そのため、徐さんがパトロール中に撮影できたヒナが孵化する映像は非常に貴重なのだという。

徐さんは、「生まれたばかりのヒナの色はヒヨコと同じ。周りのヨシに近い色であるため、保護色となっており、じっくり観察しないとヒナを見つけることができない」と説明する。

野外で生まれたタンチョウのヒナはたくさんの試練に直面する。順調に孵化したとしても、全てのヒナがすくすく成長できるわけではない。黒竜江省扎竜国家級自然保護区では毎年、放し飼いされているタンチョウ15組が卵を30個ほど産むものの、最終的に成長するのはわずか10-15羽ほどなのだという。

野生のタンチョウの個体数を少しずつ増やすための模索に、同保護区は40年以上取り組んでおり、放し飼いを経て放鳥する2段階の野生復帰スタイルを確立してきた。足環の番号が「L158」のタンチョウのように、湿地において放し飼いされているのは、人工繁殖により誕生し、放鳥される前の段階にあるタンチョウだ。今回誕生したヒナは、親鳥が育てて、そのまま野生復帰することになる。

徐さんによると、「親鳥は1年かけて子供に魚の捕獲や飛翔を教える。来年の春に再び交配し、卵を産む前に、幼鳥の子供を独り立ちさせる。これらの幼鳥が集まって群れとなり、野外で生息し、野生のタンチョウが来るのを待って、共に旅立っていくことになる」のだという。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年4月17日

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