毎年夏になると、山東省青島市には青い空の下に青い海という美しい景色が広がり、海水浴客や観光客で大賑わいとなる。それだけでなく夏季限定の「チョコレートおじさん」たちも出現する。中央テレビニュースが報じた。
夏になると青島のビーチには、亜麻色やカフェラテ色、チョコレート色といったように様々なカラーバリエーションに日焼けしたおじさんたちが現れる。青島のビーチの夏の風物詩となっている彼ら「チョコレートおじさん」は活力に満ちたアスリートであるばかりか、勇気と責任感に満ちたライフセーバーでもある。
彼らはビーチで日光浴を楽しむのが好きなだけでなく、思いっきり汗を流して楽しむのも大好き。多い時には、ビーチに数百人もの「チョコレートおじさん」が集結し、おしゃべりをしながら囲碁を楽しむ人、海で泳ぐ人、なかには各種運動器具を使ってトレーニングに励む人もいる。白髪の男性も多いものの、そのみなぎる活力は若者に決して引けを取らない。
徐桂金さん(59)はビーチでサッカーをしたり、海で泳いだりするのが好きなのだという。
鄧宗平さん(64)は桟橋から飛び込むのが大好きで、その飛び込んで着水するまでのフォームはツバメが飛翔するようにしなやかで美しいため、「ツバメ」というあだ名で呼ばれている。
その他にもバレーボールを楽しむ男性や、肌は小麦色に焼けているものの、実はアーティストという男性もいる。
このように明るくポジティブで、心の広い彼らは自分たちが楽しむだけでなく、観光客や海水浴客にポジティブで向上心あるライフスタイルを発信している。
チョコレートおじさんにとっての「人命救助」は日常茶飯事
ビーチにはプロの監視員がいるものの、海は危険が多く、いつ何が起こるか分からず、緊急時にはサポートも必要となる。そのため海を知り尽くしているチョコレートおじさんたちは、海辺で事故が起きた時には重要な「助っ人」にもなる。
実際に海で事故に遭いかけ、チョコレートおじさんに命を助けてもらった人たちは、「2016年の夏に高潮で流された時、私たち2人を助けてくれたのがチョコレートおじさんだった。岸辺に戻った時、ショックで震えが止まらなかった。その時は助けてくれたおじさんの顔をはっきりと見る間も無く、そしてきちんとお礼を言う間も無く、おじさんはその場を立ち去ってしまった。でもあの時、私の命を救ってくれたおじさんにはずっと心から感謝し続けている。彼が息災であることを祈っている」と振り返ったり、「以前、海辺で遊んでいたら、波に流されてしまった。泳ぐことはできたけど、ビーチまで戻れるほど泳ぐ力は無かった。その時に助けてくれたのがチョコレートおじさんだった。とても感謝している」と振り返り、感謝のメッセージを寄せている。
人命救助は、チョコレートおじさんにとっては条件反射のようなもので、ちょっとした「異常」も見逃すことができないようだ。なかには海の中にいたカニを触ろうとしゃがみこんだところを、「溺れている」と勘違いしたチョコレートおじさんに引き上げられてしまったという人もいるほどだ。
そうした人命救助について、責任感の強いチョコレートおじさんたちは、「ついでにやっているようなことなので、もう当たり前になってしまっている」や「助けられるからやっているだけで、大したことではない」といたってクールだ。
実際には、青島だけでなく、沿海都市のビーチの多くにチョコレートおじさんたちがいる。そして親切で、世話好き、責任感の強い彼らは、現地の夏の風物詩となっている。
とはいえ、海というのは状況が目まぐるしく変化するので、「万に一つの失敗もない」と断言できる人は一人もいない。そのため、海辺で遊ぶ時は、必ず安全に注意し、海に入る時も決して油断せず、深い所には絶対に行かないようにしよう。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年7月21日