中国国産アニメ、男児が模倣し友人に大やけど 問題点浮き彫りに (2)
■業界関係者へのヒアリング
-----「視聴者に対する明確な位置づけがない」
1人の業界人の立場として、アニメディレクターの于勝群監督は「これは制作者側のミスだ」と率直に認める。「ただ1人の子供が真似しただけだとしても、我々は自分に関係ないと思ってはならないし、今後このような事件が2度と起こらないように対策を取らなければならない」。于勝群監督は、「アニメ産業は良心的な産業であるべきで、制作者側は常に子供のことを考えなければならない」と語る。
-----制作者が功利主義に走っている
制作プロデューサーの程海明氏は国産アニメをめぐるさまざまな問題について、「根っこにある問題は、制作側の功利主義だ」と分析する。「あるアニメは単に説教くさいだけ。科学技術の普及を掲げて、子供に授業を受けさせるかのように説くが、子供はアニメを見るときは全く頭を使わない。また、あるアニメはあまりにも大人の目線で作られている。暴力や戦闘シーンばかり追求し、文化的な素養に欠けている。このほかにも、商業的なアニメがテレビに氾濫している。たとえば、リモコンのレーシングカーや、ロボットなどの少年系アニメは子供に玩具を買わせることが目的で、物語としての内容がからっぽだ」と語る。
-----ストーリーが大人目線でセリフが暴力的
児童教育専門家によると、明らかに未成年には向かないと思われる多くのアニメがゴールデンタイムに放送されているという。「国産アニメには、大人志向化や低俗化、暴力化の現象が見られる」と深く嘆く。