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コンビナート夜景に懐かしさを感じる日本人 (2)

中国メディアが見る日本

 ■コンビナートならではの夜景を五感で体験

 私たちは「根本造船所」という小さな造船会社に到着した。造船業界全体に不景気が続く日本。同社の前身は江戸末期の造船所にさかのぼる。現在の主な事業は船舶修理となり、かつて世界を制覇した日本の造船業のひとつの縮図とは、にわかに信じられない。工場に入ると、多くの参加者が船舶の部品をじかに触った。亀山さんはここで、コンビナート夜景観光ならではの独特の魅力を紹介した。街の灯りとはちがい、コンビナートの夜景は警備員の安全、生産の維持のために必要な照明であること。コンビナート夜景ツアーは全天候型の観光資源で、1年365日、雨が降ろうと、曇りの日、晴天でも楽しむことができること。そして、目、耳、鼻、舌、皮膚などの「五感」を通じ、夜景を味わうことができるという。「五感」での夜景鑑賞とは、目で夜景を楽しみ、機械の作動音に耳を傾け、鼻で工場地帯ならではのにおいを感じ、モノに手で触れ、さらにツアー限定の「工場夜景カレー」などのグルメを舌で味わうことだ。

 川崎市港湾振興会館(川崎マリエン)に着いた私たちは、9階「フロンティア」で有名な「工場夜景カレー」をいただいた。レストランに入ったのはすでに夜8時近かった。ぺこぺこの参加者達だったが、カレーを見た最初の反応はすぐに食べるのではなく、鑑賞することだ。工場、船舶、月、星空、果てはコンビナート内の煙突、照明などのすべてが、カレーから感じられた。ライスは工場、ビーフは船舶、半分に切ったゆでたまごは月、星空と煙突はカレーにかかったホワイトソース。工場とコンビナートの広大な路上の灯りはシーフード。カレーソースは洋々とした外海だ。

 ■日本経済の黄金期を偲ぶ

 亀田さんは最後に、参加者達を海辺に案内し、近くの対岸の工場群の夜景について語った。無数に煌めく照明に照らされた巨大なコンビナートが醸し出す懐かしき幻想的なシーンに、参加者らは歓声を上げた。日本人の友人は教えてくれた。年配の人達にとって、この光景は高度成長期の想い出であり、若者の目には、コンビナートの夜景はハイテク映画、ゲームに描かれる未来的な光景と映る。このまったく飾り気のない旅から得られるものは限りなかった。コンビナート夜景ツアーの最大の意義は、日本の人々が、日本経済の主柱をかつて担った製造業の精神と伝統をより深く認識、理解できることだ。あるいは、深刻になるばかりの日本の産業空洞化を阻止するのに、ポジティブな効果があるかもしれない。

 近畿大学で景観工学を研究する岡田昌彰教授は、「80年代からコンビナート夜景に注目する愛好者が増えている。工業地帯に足を運び、縦横無尽に交錯する配管や巨大なタンクを目にし、また複雑で精緻な工場内で、仕事に夢中の労働者の肉体から一種のストイックな独特の美的感覚が体感できる」と述べている。(編集HT)

 「人民網日本語版」2013年5月24日

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