中国、就職難ワーストは「文系女子」
章さんは、中国の大学を今年卒業する699万人のうちの一人だ。大卒生の数は今年、新中国設立以来の最多を記録した。工人日報が報じた。
○一歩ずつ妥協しても、依然効果なし
章さんが生活する寮では、夜が明ける前から、頻繁に寝返りを打つ音が聴こえる。5月に入り、章さんとルームメイトの計6人のうち、就職が決まったのは2人だけだ。まだ内定をもらっていない学生は、あれこれ考えて眠りも浅くなる。「内定率33%」--これは、章さんらルームメイトの数字だが、今年の就職状況を如実に反映している。北京・上海・広州の大学卒業生の内定率と章さんらのデータは、ほぼ一致している。
大学が集中している3大都市の大卒生に関する統計データによると、2013年に北京地域の大学を卒業する学生は22万9千人だが、4月中旬の時点で、就職内定率は3割にも満たない。上海市内の大学卒業生の内定率は、5月10日の時点で44.4%と、前年同期比2ポイント低下した。4月15日時点での広東省の大学卒業生の内定率は、前年同期比を下回る47.61%だった。
「史上最悪の就職氷河期」という報道が、一時期、世間を覆い尽くした。
「就職先」を見つけることが困難なだけではない。「良い仕事」に就くことはさらに難しい。 章さんは、「クラスメートの中で、『良い仕事』と言える職を掴んだ人はただ1人、その友人は、コネを頼って北京の高校教員になることが決まっている」と話した。
章さんは、中央民族大学大学院修士課程に在籍している。彼女の考える「最も良い仕事」とは、北京戸籍を取得できる職場だ。しかし、そのような理想的な仕事はほぼ皆無で、たとえあったとしても、壮絶な就職争いが待ち受けている。ここは一歩退き、章さんは次を考えた。たとえ戸籍問題が解決できなくても、一般企業に入りたいと思った。しかし、物事は希望通りには進まない。「ある企業は、インターンシップ生になることを求められたが、最終的に内定が得られるとは限らない。また、他の企業とは、すぐに内定契約書を取り交わす話になったが、そうなると、他のチャンスを全て放棄しなければならない」と章さん。