発展中の日本で生じた社会問題、中国も参考にすべき
ニセ酒、毒入り粉ミルク、環境汚染、汚職。日本も1960-70年代の高度経済成長期、これらの問題に悩まされた。日本は今、苦しみを乗り越え、当時の根強い社会問題から脱却した----。兵庫・伊丹市に10年以上住む学者・薩蘇氏はこのほど、成都で行われた金沙フォーラムに出席し、このように語った。薩蘇氏は詳細な史料、貴重な歴史写真を通じ、「中国は日本の高度経済成長期の社会情勢を参考にできる」という事実を明らかにした。成都商報が伝えた。
2011年、中国では塩の買い占めが生じたが、薩氏によると、日本でもかつて同様に、トイレットペーパーの買い占め事件が起こったという。日本では1972年、多くの国民がトイレットペーパーを買い占めるという出来事が生じ、トイレットペーパーが売り切れ、政府の干渉を招く事態となった。人々がトイレットペーパーを買い漁った原因は、今振り返ると非常に馬鹿げたことであった。世界でオイルショックが生じた当時、日本のあるデパートが「トイレットペーパーが売り切れ」という張り紙を出した。人々はオイルショックがトイレットペーパーの売り切れを招いたと勘違いし、買い占めに走った。政府は購入制限の政策を実施し、デマを否定した。
薩氏は、「当時の日本は高度経済成長期にあり、何事も制御が利かない雰囲気で、このため買い占めの風潮が生じた」と説明した。
敗戦後から1970年代までは、日本経済が高度成長した時期だ。この時期、経済成長は社会の主な基調になった。この高度成長は、次々と社会問題を引き起こした。日本で生じたニセ酒事件により、数万人が失明した。また、日本はかつて石炭資源に過度に依存しており、違法の危険な炭鉱が生まれた。薩氏によると、炭鉱主は女性作業員が石炭をブラジャーに隠して盗み出すことを懸念し、上半身裸で働かせていたという。当時さらに、死亡者が数百人に達する炭鉱事故が発生した。日本がエネルギーへの依存を石油に切り替えると、今度は自動車の排気ガスなどが深刻な光化学スモッグを生み出した。
薩氏は、「日本の歴史から経験と教訓を汲み取れば、中国の未来の発展には希望が見えてくる」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年5月21日