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児童によるアニメ模倣問題 日本の対応策は?

 中国ではこのほど幼い兄弟が国産テレビアニメ「喜羊羊(シーヤンヤン)と灰太狼(ホイタイラン)」に登場する「灰太狼が羊肉を焼く」シーンを真似て、遊び仲間の男児にひどいやけどを負わせるという事件が起こった。この男児は現在、北京で治療を行っている。「中国文化報」が伝えた。

 児童の模倣能力と旺盛な好奇心は世界共通だが、子供がこのように漫画から間違ったことを学んでしまうケースは外国でも珍しくない。日本では、今年2月に神奈川県小田原市に住む13歳の女子中学生が漫画に出てくるシーンを真似て、校舎を水浸しにし、学校に大きな損害をもたらした。ロシアのエカテリンブルクで今年3月に起きた15歳少女の飛び降り自殺は、漫画のキャラクターに影響を受けたとみられている。このような模倣事件に対し、海外の保護者やメディアの対応には中国と似通ったところもあるが、参考にすべき点もいくつかある。

 まず重要な点は、アニメには、児童に「悪い影響を与えない」という、必ず守らなければならない最低規範がある。米国や日本は児童が見るアニメに対し非常に厳しい審査が行われている。例えば、「画面に銃口を出してはならない」や子供のキャラクターには「おへそをみせるような露出した格好をさせてはならない」などで、違反者は一律にシーンのカット、あるいは放送禁止が命じられる。日本では大人が見るアニメも比較的多いが、これらは児童が寝た後の深夜にしか放送することはできない。一旦作品が児童に悪い影響を与えるとみなされると、放送局も必ず直ちに放送を中止し、その要因について分析を行う。

 日本の子供向けアニメを見たことがある人なら、恐らく「安全面の注意喚起のテロップ」に覚えがあるだろう。もし劇中に現実に真似る恐れがある危険行為が出現する場合は、必ず画面には「よい子は真似しないでください」というような注意書きのテロップが流れる。70年代に特撮アニメ「仮面ライダー」が日本で流行した際、ライダーキックを真似た児童が高い処から飛び降りて怪我をする事故が多発したという。「注意喚起」の記載はそのときから始まったとされる。

 次に、同じく重要な認識として、アニメを含むすべての公開作品の中に含まれる情報に対して、保護者が児童に物事の良し悪しを判断するように指導する責任を負うという点だ。このような事件が起きた場合、アニメの問題なのか、それとも保護者の責任なのか、海外では往々にして見方が異なる。日本の場合、日本の保護者のアニメの影響に対する敏感度は中国の保護者たちと何ら変わらない。教育委員会への苦情はほぼ毎月のようにある。これらの苦情に対し、それが本当にアニメが原因だとした場合、政府機関が直接介入して厳密な調査を行う。1997年にテレビアニメ「ポケットモンスター」の視聴者が光過敏性てんかんなどを起こした「ポケモンショック事件」がその最たる例だ。しかし、もしアニメに明確な過ちがあることが証明されない場合は、社会では保護者の責任能力が問われることになる。

 日本語には「自己責任」という単語がある。すなわち、「自分の行為に対して、自分で責任を持つ」という意味だ。近年、日本社会では保護者が「自己責任」を要求されることが一般的になっている。もし事件がまれなケースで、ほかの子供に同じような問題が起こっていない場合は、たとえ「アニメのせいだ」と主張しても、社会では保護者が責任をほかになすりつけようとしているとみなされるだけだ。

 近年、日本はこのような模倣問題に対し、以前にも増して背景の分析が重要視され、責任を安易に何かに押し付けるような報道は回避されるようになっている。2007年に、日本の京都で16歳の少女が家庭内の確執から、父親を斧で殺害する事件が起きた。当時、深夜に推理サスペンスをテーマにしたアニメが放送されており、アニメの中にこの事件に似たシーンがあったため、テレビ局は直ちにアニメの放送中止を決定した。当初、日本国内でもアニメを批判する声が起こったが、後に、多くの文化人がアニメと事件には何も関係がないことを分析した文章を発表したことで、事態は徐々に収束し、アニメの放送も再開された。この事件をきっかけとして、日本では「ニュースを盛り上げるために、マスコミは安易に事件と何かを関連づけることはしてはならない」とする反省が生まれた。(編集MZ)

 「人民網日本語版」2013年5月16日

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