サイバーセキュリティに「ダブルスタンダード」は認められない
インターネットの登場は人類史上最大の「覆面の帝国」を建造した。よく言われるのが「ネット上では、たとえ相手が犬だったとしても誰もわからない」ということだ。米中央情報局(CIA)の元職員、エドワード・スノーデン氏による最近の暴露は、この言葉の持つ別の意味を余すところなく示した。つまり「ネット上では、どれだけの犬に凝視されているかわからない」ということだ。
スノーデン氏の挙証により、「PRISM」計画を含む米政府の秘密情報監視計画複数が暴露された。これまでに明かされた情報は、米国の情報機関が米国民の電子メール、チャット記録、動画や写真など個人資料を監視していただけでなく、海底光ケーブルを通じて米国に出入りする全てのネット情報をコピーしていたうえ、長年にわたり他国・地域のネットに侵入して「最良の、最も信頼できる情報」を得ていたことを示している。
米側はまだこの件について必要な釈明を国際社会にしていないが、すでに長いことくすぶり続けていた情報セキュリティ問題が、これによって一段と明確に人々の前に突きつけられた。
人類の新たに切り開いた社会活動空間であるインターネットのセキュリティ状況はかねてより複雑に入り組んでいる。ネットの覆面性を利用してデマ、誹謗、詐欺、ポルノなど不法活動が大手を振っている。また、不法な盗み見、コントロール、窃取、攻撃などの悪事が見えない所で渦巻いている。統計によるとネット犯罪による中国ネットユーザーの経済的損失は年2890億元にも達している。また、個人情報の流出やプライバシーの暴露による間接的な傷の大きさは金額ではとても言い表せない。今や、ネット技術の発祥地である米国など西側諸国の政府が国境を越えてネットを監視・コントロールし、情報を盗み取っていたことが事実によって証明された。もとより厳しいサイバーセキュリティ情勢に一層の追い打ちをかけるものだ。