中国の宝くじは社会の落とし穴 米NBC (2)
宝くじの売り上げは、政府の税収収入の1%にも満たない。収益のほぼ全てが、深刻な資金不足に陥っている社会保障システムのための補充資金に運用されている-----。少なくとも、表面的には、そうなっている。だが、批判的な立場に立つ人は、収益金が本当に有効に使われているかどうかについて疑いの目を向けている。34の省レベル行政部門のうち、2011年の宝くじ収益金の用途について公開したのは、わずか9部門だった。著名な経済学者の郎咸平氏は、昨年テレビに出演し、宝くじ購入を控えるよう視聴者に呼びかけた。
宝くじの収益金は、本来、貧困層を支援するためのものだが、宝くじの需要は、主に社会の最底辺にいる人々から来ている。この問題は、貧富の格差が激しい中国において、特に深刻なものとなっている。北京師範大学中国宝くじ事業研究センターの陳氏は、「多くの国民、特に中・低所得者層は、毎日どれだけ汗水たらして働いても、自分の家は永遠に持てないことを知っている。だから、彼らは、宝くじで、自分の運命を180度変えることを望んでいる」と指摘した。高額の賞金に血迷い、人々は、このような「一枚の宝くじが運命を一転させる」という妄想をさらに膨らませている。
北京師範大学の研究によると、中国で宝くじをいつも買っている2億人のうち、約700万人が、「問題のある宝くじ購入者」であり、「宝くじ中毒」に関する報道も増える一方だ。賭博サイトや携帯電話用アプリが急増していることで、中国の宝くじ発展情勢がより複雑になっており、新しい、若年世代の「宝くじ中毒予備軍」が、そのターゲットとなっている。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年1月24日