中国仏教協会会長「自殺と自殺教唆は教義違反」
雲南省西双版納(シーシャンパンナ)の仏教寺「総佛寺」の大雄宝殿(本堂)の開眼法要に出席するため同地を訪問中の中国仏教協会の傳印会長は12日、同省の漢民族仏教・チベット仏教(ラマ教)・南伝仏教の関係者による座談会に出席し、「中国仏教界の三大宗派が、交流を強化し、互いに学び合い、共に成長し、協力して信者を拡大し、経済発展と社会調和のために貢献することを希望する」と語った。人民日報海外版が報じた。
傳印会長の発言の要旨は以下の通り。
メディア報道によると、四川、青海、甘粛省のチベット族居住地域の一部で、自殺を教唆され焼身自殺を図るという事件が最近相次いでいる。自殺したのは、僧侶・在家(一般の人)さまざまで、この上なく心を痛め、哀惜(あいせき)の意を感じている。
仏教では殺生・自殺は認められておらず、命を慈しむことを教えている。仏陀は、きっぱりと自殺を否定し、禁止した。仏陀は、自殺する者を「愚か者」とし、「自殺行為は、基本的戒律に背く罪である」と説いた。従って、「焼身自殺は、仏教の教義に背く行為ではない」という主張は、まったく根拠のない出鱈目である。また、仏教では、自殺を勧める・そそのかす・教唆するなど、他人を自殺行為に導く行いは、極めて重い罪だと解釈されている。仏陀は、「愚か者たちよ!自殺行為と他人に自殺を教唆する行為に、どのような違いがあるというのだ!」と厳しく説き、「他者に殺生や自殺をそそのかす行為は、波羅夷罪(基本的戒律に背く重罪)であり、仏教徒は仏教界から追放する」と定めた。
自殺行為も自殺を教唆する行為も、ともに仏教の戒律に背くものであり、人身を尊び、命を慈しむべきという仏教の教義に反するものだ。我々は、惑わされ、そそのかされ、自殺行為に至った人達に対し、切なる悲しみを抱くと同時に、自殺を教唆した者に対して激しい憤りを覚える。仏陀の遺訓を受け継ぐ仏僧と多くの仏教徒は、善悪をはっきりと区別し、正し道を尊び、邪悪な道を正し、くれぐれも邪悪な声に騙されてはならない。さもないと、ただ一度の過ちを一生悔いることになる。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年12月14日