 |
資料写真:安倍晋三 |
「週刊!深読み『ニッポン』」
12月16日の衆議院総選挙を予想すると、自民党が優勢であることが分かる。白のロングコートを着用した安倍晋三総裁は、6年前の首相就任時の感覚を取り戻したようだ。安倍総裁が警備員と党内のスタッフに囲まれ、選挙カーに乗り演説を行うと、大勢の人が集まる。これは民主党党首の野田佳彦首相による、聞く人の少ない寂しい演説とは大きく異なっている。この光景を見比べると、どちらが日本の首相であるか分からなくなる。(文:陳言・日本問題専門家、日本産網站CEO)
国防軍の創設、平和憲法の改定、釣魚島(日本名・尖閣諸島)の公務員常駐等、安倍総裁が保守的な発言を口にすると、厳寒の東京でも国民の熱烈な支持を感じ取ることができる。演説の会場にいると、政治面で強硬な姿勢を保ち、政治的手法により日本の失望した民意を盛り上げようとする安倍総裁の姿勢をひしひしと感じ取ることができる。
しかしどれほど盛り上がろうと、日本がすでに奮起する段階に入ったと考える人は稀だ。政治面で大きな声があがっているが、経済的な内容が伴っていない。このほど世間に言いはやされている「安倍経済学」は、日本を苦境に陥らせ、最終的により深刻な破滅に向かわせる可能性がある。
「建設国債は日銀に全部買ってもらう」
「輪転機をぐるぐる回して無制限にお札を刷る」
安倍総裁が選挙カーで声高らかに呼びかけた時点で、集まった聴衆はインフレの到来を感じ取った。市場も安倍総裁に対して、最も理想的な反応を示している。円相場が低下し、日経平均株価が上昇したのだ。現在の円相場は、8カ月前の水準の1ドル=84円に達した。13日の日経平均株価は9700円で、これも8カ月前の水準に戻った。市場は安倍経済学に対して、良い反応を示している。
[1] [2]