「高速鉄道に負けるな」中国航空業界で値引き合戦過熱 (2)
■航空業の対抗措置
空の便のメリットは何か?南方航空河南支社マーケティング部の担当者は、「価格は手持ちカードのひとつにすぎない。民航の強みは、グレードの高いサービスにある」と強調した。大手航空各社は次々と、高級ビジネス客をターゲットとして、航空機のアップグレードやファーストクラスのサービス拡充に着手している。
鄭州鉄道部門の担当者は、「高速鉄道の最大の強みは、出発・到着時刻の正確さにある。特に、春運(旧正月中の特別輸送体制)期間や春に長く続く広州の雷雨シーズンには、その優位性が顕著に現れる。春運期間の航空運賃は非常に高く、かつ航空券も取りにくい。さらに、北京に到着する便の遅延は日常茶飯事になっている。雷雨シーズンに入ると、広州を出発する便は大抵遅延する。一方、これらの時期でも、高速鉄道の出発・到着時刻はかなり正確だ」と指摘した。
華北水利水電学院の付逸飛・准教授は、高速鉄道に対し航空業が実施可能な対抗手段として▽より大容量の旅客機を導入する▽さらに競争力のある航空運賃や質の高いサービスを提供する▽輸送力の重点を長距離路線に置く---などを挙げた。
■輸送の大幅拡大
推計によると、京広高速鉄道の開通後、エクスプレス(速達)業界のコスト支出は50%以上削減可能となり、全く新たな「高速鉄道時代」が到来した。
現在、国内速達便輸送のうち、道路輸送は80%、航空輸送は15%を占めている。地域的な制限を受け、鉄道輸送およびその他の輸送方式は、全体の5%にも満たない。また、高速鉄道による輸送を「試行」中のエクスプレス業者は、郵政速達や順豊速達などごくわずかであるのが現状だ。
順豊速達は、今から2年間、高速鉄道物流ネットワークによってコストダウンを図り、高速鉄道とのタイアップを模索、試行してきた。高速鉄道の正式開通前に、乗客を乗せずに走る「線路点検車両」を荷物輸送に利用、また、今年10月には、広州南駅-長沙南駅間で、高速鉄道による小型荷物速達輸送業務をスタートさせた。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年12月27日