米財務省が現地時間12月17日に発表したデータによると、中国は10月に米国債を79億ドル買い増しし、中国の保有する米国債が1兆1615億ドルに達し、引き続き米国債最大の保有国となった。しかし日本も同時に米国債を大量に買い増しし、中国を猛追している。国際金融報が伝えた。
アナリストは、「年初の1兆1662億ドルから10月末の1兆1615億ドルへの移り変わりを見ると、中国が米国債を手放そうとしている傾向を見て取れる。中国が米国最大の債権国ではなくなる日が近づいている」と指摘した。
◆投資家、米ドルに殺到
米財務省の発表した月間国際資本流動報告によると、10月の中長期米国債の買い越し額は158億ドルに、9月は173億ドルの売り越しとなった。全体的に見て、海外投資家が10月に購入したのは、米国の長期証券であった。上海財経大学現代金融研究センターの奚君羊副主任は、「海外投資家の米国証券の取扱に、『長期証券を購入し、短期証券を売却する』という現象が生じているのは、海外投資家の構造に変化が生じたためだ。個人投資家が減少する中、各国の政府、中央銀行、政府系ファンド等の大型機関の投資家が増加した。これらの投資家は米国債購入規模を拡大しており、その多くが長期投資家だ」と分析した。
10月末現在、外国の主要債権者が保有する米国債は5兆4822億ドルに達し、前月の5兆4762億ドル(修正後)を上回り、10ヶ月連続の増加となった。連邦準備理事会は近年、米ドルのゼロ金利政策を維持しており、これを2015年中頃まで継続することになる。またドル安が進行しており、米ドル指数は心理的水準の80.00を何度も下回っている。これほど不利な環境下、投資家はなぜ米国債に殺到しているのだろうか。
奚副主任は、「金利の面から見ると、米ドルのゼロ金利政策は米国債購入にとって不利である。しかし米国債は世界で最も流動性が高く、取引規模が最大の投資商品であり、各国政府や中央銀行等の大型機関投資家にとって、売買の利便性が最も高い。レート面から見ると、米ドル指数は通常ならば80−120の間で変動するが、現在は低迷している。米国経済が好転し、ドル高が生じた場合、投資家は一定の利益を得るだろう」と指摘した。
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