中国、公務員の契約制導入が加速へ 終身制に幕か
江蘇省では今年から、公務員になっても「安泰」とは行かなくなった。これまで「任命」制だった公務員への「招聘(しょうへい)」制の導入を、一部の行政機関や地域の専門性の高いポストで試験的に実施することになった。近年、中国の多くの地域が公務員の招聘制を試験的に実施しており、公務員が「終身制」から「契約制」に変わろうとしている。中国では、公務員に一旦なれば、解雇される心配がないため、同職は決して割れることのない「鉄の茶碗」と呼ばれてきたが、今後は、「陶器の茶碗」となりそうだ。中国経済網が報じた。
公務員の招聘制は、深センや上海などが3年前から導入。うち、深センは2007年から試験的な実施を開始し、10年1月より、新たに行政機関に入社する公務員に対しては一律同制度が適用されるようになった。
深センや上海で現在導入されている公務員招聘制はいずれも、それまでの公務員には適用されず、新入職員だけを対象に実施されている。深センでは、招聘制適用の公務員と任命制適用の公務員の間に、待遇などの差はなく、いずれも、行政の正規職員として公務員の権利や義務を履行する。その責任や権限、能力に対する要求、ポストの昇格・降格などの面で、同等の制度が適用される。一方、二者の間には雇用形式の面で相違がある。招聘制が適用される公務員は契約管理が実施されるほか、社会保険や老後保健、職業年金を1つにした退職保険制度が実施される。そのため、任命制が適用されている公務員に比べると、退職構造が一層融通の利くものになっている。
専門家は「公務員の招聘制が試行されるようになれば、今後は公務員の終身制にメスが入るだろう。それにより、一旦就職すれば職を失うことはなく、昇格はあっても降格はないという弊害が取り除かれることになる」と歓迎。「能力があれば昇格し、なければ降格する。そのようにして初めて人材を活用し、発展を促進することができる。特に、役職に就いているだけで仕事をこなさない公務員に、プレッシャーを与えることができる」と指摘している。
さらに、長期的に見ると、招聘制の導入は、財政支出の削減にもつながる。北京市人力資源・社会保障局のあるスタッフは取材に対して、「招聘制が適用される公務員に対しては、関連の部門は業務の必要に応じて人員の増減を検討することができるようになる。そのため、人員を必要最低限に抑え、人件費を削減できる。また、待遇が業績によって決まるため、関連の部門は、ポストによって報酬を変えることができ、職員のやる気を刺激できるだけでなく、人権費や国の財政支出を削減するという目標を達成できる」と指摘した。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年5月15日